Healing Discourse

ヒーリング随感 [第18回] 赤き龍

◎昨夜は、血管へのヒーリング・タッチに関して、新しい<教え>が示現した。宇宙そのものに教え導かれるが如き実感と共に、すべての修法は顕われる。

◎血管とも、ヒーリング・タッチとまったく同じ要領で触れ合うことができる。例えば、手首の脈に指の腹を充て、ヒーリング・タッチで脈拍を感じていく。<凝集→レット・オフ>・・・・・血管そのものが繊細に振るえ始める。筋肉や腱などとのタッチでは決して起こらない独特の感覚だ。
 この振るえは周辺の毛細血管にまで拡がっていくが、全身の血管すべてが振るえ出すためにはかなり時間がかかる。各部の脈に順に働きかけた方が、効率が良さそうだ。

◎このように血管そのものが微細振動するというのは、日常生活の中では滅多に体験できないことかもしれない。血管の弾力性を増し、血管の健康を増進する上でも、大きなヒーリング効果が期待できる。

◎手首の脈で練修するとわかりやすい。
 まず、自分がやりやすい方法で手首の脈を感じてみる。ほとんどの人が、指先側から指の腹へと意識を向け、脈拍を感じようとしているだろう。
 その反対側からも脈動を探っていく。最初はちょっと難しく感じるかも知れないが、ヒーリング・タッチと同様、触れ合っている部分の感触を頼りにサーチすれば、これまでまったく無意識だった方向から脈に行き着くことができる。
 ここまで来れば、両方からの意識をクロスオーバーさせ、脈と直交して触れ合うことができるようになる。脈に対して、垂直に触れ合うことができる。すると、血管という弾力性を持つ導管にタッチしている感触が得られる。
 そうなったなら、タッチした手指をわずかに凝集しておいてレット・オフすれば、血管そのものにたまふりを起こすことが可能となる。

◎血管のたまふり感覚は、また独特だ。これを味わったことがなければ、ヒーリング(心身の全体性、トータルさ)を知ったとはいえない。
 赤い龍のような生きた流れが、無数に枝分かれしながらうち震えつつ拡がっていく。
 ・・・・・・・・樂(たのし)!!!!

◎頭蓋(とうがい)呼吸の新しいマナも授かった。
 きっと、この随感を読んで熱心に練修している人がいるのだろう。「もっと感じたい」、「わかるようになりたい」という真摯な祈りが直ちに天地神明に感応し、その応答が私を通じて神託の如く、鮮烈に顕われ示される。

◎親指をくわえ、赤ん坊のように無心に吸いなさい。いきなり大きく強く吸おうとせず、「ゆっくり、柔らかく、粒子的に」を心がける。徐々に深く吸っていく。吸いを、呑み込んでいく。
 単行本でも簡単にご紹介しておいたが、指吸いには意外な力が秘められている。かしわ手を打って粒子感覚をはじけさせた手(ここでは左手とする)を感じながら、もう右手の親指を吸ったりやめたりしてみるといい。右指を吸えば左手の粒子が凝集し、やめれば拡散することがハッキリわかるだろう。
 掌中央の労宮を意識しておけば、もっと明瞭に凝集・拡散が感じられる。他の修法をいくら練修してもヒーリング・タッチをうまくできなかった人が、この指吸いのマナをきっかけとして一気に熟達し始めた実例もある。

◎唇を上下左右均等に使う。吸う動き・流れに乗るようにして、口から徐々に意識を身体内へと納めていく。今は、腹でなく、頭の内部へと「吸い(陰圧)」を拡げていく。もう一方の手で頭にヒーリング・タッチし、「口から頭の中へ」という動き/流れを、頭をゆっくり柔らかく粒子的に撫でこすりながらサポート。

◎「頭の裡」というものを、初めて体験する人もいるかもしれない。頭全体が内側からキュッと軽く締まる。

◎指を吸いながら、鼻より息を全部吐き出してしまう。そして呼吸のことは忘れ、指吸いだけをゆっくりレット・オフ。
 静中求動、いかなる動きも自分からは決して起こさない。指を口から離さないように。息を吐き切った状態そのものに、たまふりを起こすのだ。
 このようにして待機姿勢に入ると、ほどなく、頭の中にそろそろと息が染み渡ってくる。たまふりの活性化と完全にシンクロしつつ、息が自然に入ってくる。

◎音楽をかけながらやると実に面白い。レット・オフに伴い、音が「頭の中に入ってくる」。頭の中で音楽が実際に鳴り始めるから、是非試してみるといい。
 昨夜、妻と一緒にこのマナを修しながら大笑いしたのだが、幾度も繰り返すうちに、何と頭蓋骨の縫合(骨間結合組織:頭骨各パーツのつなぎ目)が浮き上がるように、細やかに微振動し始めた。改めて思えば、縫合部はいかにも振動しやすそうな、音に敏感そうな構造をしているではないか。
 しかし、それが本当に踊り出すとは・・・・。これだから、ヒーリング・アーツの探求はやめられんのだ。
 ・・・・・・・・樂(たのし)!!!!

◎ヒーリング・アーツが自分に合っているかどうかは、実際の術を何度か味わってみれば、頭で考えずとも心身そのものでハッキリわかる。ビリビリッと非常に細やかに振るえて、意識がくっきり鮮やかとなり、楽しさがふつふつ沸き立って来て、心身が滑り流れるように艶やかに動き始める・・・そういう現象があなたの心身に起こったなら、あなたはヒーリング・アーティストへの第一歩を踏み出したといえる。
 
◎いつもヒーリング・アーツのことを想っている。それについて考えると心がうきうき浮き立ってくる。何か素晴らしいことが起こりそうな予感がする・・・そうした変化を感じているとしたら・・・あなたはヒーリング・アーツと恋に落ちたのだ。
 あなた方は、私の旅の伴であり友人たちだ。

<2009.02.28>