Healing Sound

for Musicians 第1回 はじめに

 Healing Soundの新しいシリーズとして、『for Musicians』を立ち上げました。
 これは、音楽好きの人、歌や楽器を演奏する人、作曲する人などを対象とした、ややマニアックな内容のインストラクティヴ・ディスコースです。

 まず、以下の同じ楽曲を、連続してお聴きください。最初がCD音質(44.1KHz)、つぎがDVD音質(96KHz)です。

 ヒーリング楽曲『ラフレシア』冒頭部分(約25秒)
 CD音質

 DVD音質

・Windowsをお使いの方はQuickTimeのインストールが必要です。
・機器が24bit/96KHzの高音質ファイルに対応していない場合、再生できないことがあります。
>QuickTimeダウンロード

>Close

 余計な説明は不要でしょう。このようにDVD音質が運ぶ音の情報量の複雑な多様性は圧倒的です。滑らかさ、密度、奥行き、各楽器のクリアな分離感などにおいて、DVD音質は抜きん出ています。
 こうした理由により『for Musicias』の中で使われる音源ファイルは、特別な事情がないかぎり、すべて高音質ファイル(DVDレベル)を採用します。これから音楽の新たな可能性について語っていこうとするにあたり、mp3やCDの音質では、細かい部分を到底お伝えすることができないからです。
 音の世界を真に愛する人々のため、可能な限り徹底的に音質にこだわっていくつもりです。

 よりよい音を充分に堪能するためには、やはり品質のよいオーディオ機器(スピーカー、アンプ、ヘッドフォンなど)を揃えることをお勧めします。
 テレビはハイビジョン画質が一般化され、3Dの映画や番組が増えるなど、視覚の世界はどんどん進化しつつあります。それにくらべ聴覚の世界は遅れていて、ここでご紹介する96KHzや、さらにそれを上回る1bit形式の音楽、スーパーオーディオCDなどの、HD画質に相当する音楽はごく一部のマニアの間にしか広まっていません。
 しかし映像と同様に、質のよい音体験が重なるほどに、音楽の面白さや深みはいや増していくのであり、音楽を真に愛する人々には、ぜひ高音質の音楽体験をたくさん味わっていただきたいと思います。高音質の音楽というのは、より生演奏の音に近い、臨場感のある音であり、聴いた時の感・動も生のコンサートで味わうものに近いといえるでしょう。

『for Musicians』の中で使用される音楽の専門用語について、少し解説させてください。
 音楽用語は、英語、ドイツ語、イタリア語など、いくつかの言語で同じ意味の言葉が使われていますが、for Musiciansにおいては、特別な場合をのぞき、基本的に英語を用いることにします。
 また、曲の中で使われる「和音」は、英語の「コード(chord)」と表記します。
 和音を表わす際、通常は音符の連なりによって表わされますが、もともとジャズ演奏のために発明されたコードの場合、楽譜がなくても、単純なコードネーム(chord symbol)で表わすことができます。そのため、楽曲の中で和音について解説する時、コードネームも併用すると非常に便利なためです。

 第1回目は、私のファースト・アルバム『メドゥーサ』の中の1曲、『アポロンの巫女』を取り上げることとしました。
 1999年に夫と赴いたトルコ巡礼の際、トルコへと向かう機内で、突如この曲の冒頭部分がインスピレーションとして顕われ、そこから発展していった楽曲です。

※『アポロンの巫女』の詳細については、アルバム『メドゥーサ』のページにて。

 まずは、冒頭部分をお聴きください。

 アポロンの巫女 冒頭部分(約1分20秒)

 楽器編成はギター、エレピ(エレクトリック・ピアノ)、ドラム、ベース、ストリングス(弦楽器群)、ブラス(管楽器群)の計6つと、シンプルです。
 このサウンドの上に、ヴォイスがいくつか重なっています。

 約10年前に創作した『アポロンの巫女』ですが、ここ数年、聴くたびにあらたなアレンジのインスピレーションがムクムク湧いてきて、ぜひ再編曲してみたいと常々思っていました。
 そこで今回、『for Musicians』を新たに立ち上げたことをきっかけとして、リアレンジに挑戦することにしました。

2012.02.17 <第2回につづく>