Healing Sound

for Musicians 第2回 アポロンの巫女

『アポロンの巫女』原曲創作当時は、1つの曲で使用可能なトラック数が少ない(8つ)という根本的な限界がありました。今は、音質にもよりますが44.1KHz(CD音質)ならば100トラック以上が可能です。
 新アレンジ版では、 当初表現し切れなかった部分を補うため、ヴォイスのトラック数を幾重にも重ねました。
 新しい録音機材導入により、音質自体も向上しています。  

 試行錯誤を経て、『アポロンの巫女〜2012〜』が完成しました。
 原曲とは異なる趣を持つ曲になりましたが、新旧両方ともそれぞれ独特の世界があります。

『アポロンの巫女』の主要モチーフは、ヴォイスの「リンリン、レイ・リンリン」という旋律です。これを仮に、メロディーA(楽譜1)とします。

楽譜1

 原曲では、メロディーAはあるひとつのパターンのコード(和音)とリズムの中でのみ登場します。その繰り返しの中で、他の音型のヴォイスが折り重なって、楽曲の流れを生み出していました。

 2012年版では、メロディーAから、さまざまに発展するハーモニーやリズムの可能性を探ってみました。
 以下に、その応用展開例のいくつかをピックアップして解説してみます。

『アポロンの巫女〜2012〜』より

 モチーフA-1

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 A-1では、原曲と同じコード進行が使われていますが、1小節ごとにギターが合いの手を入れています。また、数トラックのヴォイスがクロスオーバーされ、何人もの巫女たちが合唱しているような雰囲気もあります。

 つづくモチーフA-2では、A-1と旋律自体は変わっていませんが、メロディーAとぶつかり合うような旋律を用いたり、使用されるコードが変化するなど、より緊張感が高まっています。
 不協和音程をリズミカルに交錯させ合うことで、メロディーが「ぶつかり合う」感覚を生じさせることができるのです。

 モチーフA-2

 上記の「メロディーAとぶつかり合うような旋律」とは、具体的にどういう意味なのか?と推敲中の夫に問われ、即答することができませんでした。そこで手近にあったチェンバロを弾きながら確かめたところ、同じ小節内で、メロディーAがD(レ)の音の時、シンセ・オルガンが同じタイミングでC(ド)の音で鳴っていることがわかりました(楽譜2)。つまりDとCとの関係は不協和音程に属するので、音同士がぶつかっているように聴こえるわけです。

楽譜2

 私自身、非常に感覚的に音創りを行なっているため、理論は後回しになってしまうことがままあります。そういった私のいわば盲点を、夫(音楽の知識ゼロ)は時々指摘してくれるのですが、それがことごとく的を射た音楽の本質に迫るものばかりなので、いつも驚いています。

 A-2につづくA-3では、4小節の間で2拍ごとにコードが移り変わっていきます。同じ旋律に対して、クロスオーバーされる音楽がこのようにさまざまに変化するところが、2012年版の醍醐味なのです。

 モチーフA-3

 モチーフA-1からA-3までを連続して聴くと、つぎのようになります。
 帰神フォトが移り変わり、今どのモチーフが鳴らされているかわかるようになっています。
 帰神フォトを常に観の目(画面中央をまず見つめて、まばたき等を一切せず、視点を定めたままでその見つめることを手放す)で観続けると、曲と一緒に流れていくのではなく、自分はそこにとどまったまま、曲が自分の中を通りすぎていく感覚が起こってきます。いわば聴くことにおける「静中求動」といえるでしょう。
 同じモチーフがさまざまに飾られて連続することにより、リズムにまつわる記憶・印象にうねりが起こり、それが一定時間(約10分)つづくとトランス的な陶酔感覚が訪れてきます。そうしたトランス意識には、深いヒーリング効果があります。

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2012.02.23<第3回につづく>