Healing Sound

for Musicians 第4回 シャーマニック・マラカス

 まずは、つぎの帰神ムービー(注)をご覧ください。

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 一体、これは何をしているのだ!? と、ギョッとされた方もいらっしゃるかもしれません。
 これは、先日の龍宮拳伝授会において執り行なわれた、『喜びのたまふり』第1部の模様です(『ヒーリング随感4』第10回記事とムービーもご参照ください)。
『喜びのたまふり』とはヒーリング・アーツ流の瞑想法で、4部構成の音楽をベースとしています。第1部は、約5分間の音楽の間中、全身を激しく、細かく振りつづけることで、固まり、こわばった心身のブロックを粒子的に粉砕していくことを目的とします。

 ムービーの中で夫が鳴らしている楽器は、アマゾン・シャーマンのマラカスです。ひょうたんの中に、実(種)がいくつも入っています。
 いわゆるラテン・パーカッションとしてのマラカス奏法を完全に無視した、天衣無縫、奇想天外なマラカスの舞。打楽器奏者としては、「これはやられた!」と思わざるを得ない、オリジナリティ溢れる演奏です。もはや演奏という枠を超えているといっても過言ではないでしょう。

 音楽的に解析してみると、まずマラカスの音に驚かされます。
 普通このように激しく振ると、マラカスの音は非常にうるさく、耳障りに感じることが多いのですが、ここで夫が鳴らしている音は、音量が大きいにもかかわらず、聴いていて爽快です。
 同じ楽器を演奏しても、演奏者によって音が格段に違ってしまうという現象は、打楽器を学んでいた学生時代にさんざん味わってきました。一流の奏者と、自分の出す音との違いがなぜ生じるのかがわからず、いつも悩んでいたものです。

 一体どうして、こうした差が出てくるのでしょう?

 通常マラカスを振る場合、マラカスの柄(手で握る部分)から先の、ひょうたんの部分を振ろうとします。演奏者の意識はそこに向いており、体の外へ出ています。そのように振られた音は、すべて体の外側から響いてきて、あまり大きいと鼓膜を叩かれるように感じることもあります。

 ところが夫の場合、マラカスを持っていても、まるで持っていないかのごとくで、意識は体の裡(内)側にあります。そして、振る時にはマラカスや手を振るのでなく、肘を支点として、橈尺関節を振っています
 このように演奏されたマラカスの音は、体の裡[うち]から響いてくるようになります。私は、骨の髄が振動するように感じられます。意識が外に出た状態で振られた音とは、根本的に音質が異なっています。
 このマラカスの音によって骨の髄から揺さぶられるので、体を振りほどいていく際には、大変な助けとなるのでしょう。

 普通演奏されるマラカスの音が「実[じつ]」のみだとすると、夫のマラカスは実と虚が同居しているともいえます。虚のある音というのは、妙な言い方ですが、ひょうたんの中の形(空間)が感じられるのです。このように鳴らされた時に、マラカス本来のマジカルな音やリズムが身体内を駆け巡り、心身のこわばり、滞りが打ち砕かれ、ほどかれていくヒーリング作用が起こるのでしょう。

 観の目でムービーをご覧になりながら、一緒に体を振りほどいていけば、終了時には驚くほど心身が軽やかになっていることを実感していただけると思います。

<2012.03.24>

注:撮影される側も、撮影する側も、超意識状態で、とくに撮影者は観の目(集中してどこかを見つつ、その見ることを手放し、画面全体に意識を行き渡らせて観ること)を保ちつつ撮影したものを、「帰神ムービー」といいます。