裡なる光輝があふれ出たように、ウミガメたちも今や、何だか神々しい。
ヒメアイゴ。沖縄では、小さな塩漬けの魚(スクガラス)が瓶に詰められスーパーなどで売られているが(冷奴にのせたりする)、その原料となるのがアイゴ類の稚魚だ。
夏の大潮の日、アイゴの稚魚が大群をなして浅瀬へと押し寄せてくる。かつては、村人総出でこれを捕らえ、各家庭でスクガラスを作ったという。
クロハコフグ。オスはこのようにカラフルだが、メスは黒一色の下地に小白点を総身に鏤めたシックないでたちだ。
カメラを向けて近づこうとするだけで大慌てで逃げ出す。が、こちらが追跡を諦めるや、あちらもぴたり停止し、まるでからかうみたいにくるっと向き直る。
何度繰り返しても同じなので、わざとやっているに違いない。
お馴染のゴマモンガラ。慶良間には個体数が多いのか、どこに潜ってもよくみかけた。
心ない観光客がサンゴを踏み荒らすことが、慶良間で今、問題になっているそうだ。最初そう聴いて、浅瀬の小さなサンゴが不注意で踏まれるのだろう、くらいに軽く考えていた。
が、現場で実際に目にした光景は、そんな生易しいものじゃなかった。
「元々丸かったものが、どんどん踏まれて平らになってゆく」、「わざと踏んでいる者もいるようだ」、・・・今回の帰神スライドショー7では、人類によるそうした愚行と破壊の跡も、敢えて数多く取り上げた。
上掲写真、奥の、手前のサンゴの上に穴が一つ、ぽつんと開いているのは、まず1人が踏んだ跡。その後、どんどん穴が増えていって(大勢が踏みつけて)、やがて手前のサンゴのように上が平らになるのだそうだ。
カスミアジ。大型のアジの仲間だが、感性を打ってくるようなヴィヴィッドな青使いが秀逸である。
シャコガイの多くが、まるで誂えたみたいにサンゴの中にぴったり納まり返っているのはなぜか、とそろそろ気になってきた方がいらっしゃるかもしれない。
貝殻の成長につれ、酸性の物質を分泌してサンゴを溶かし、自分のサイズに合わせ穴を少しずつ拡げてゆく・・・のだそうだ。
帰神スライドショー7
高画質版 :
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帰神スライドショーを観照する際は、PC画面の明るさを中間に設定し、部屋を真っ暗にすることを推奨する。
帰神スライドショーとは、単なる写真の羅列ではなく、観照者の内面に地球生命からのメッセージを芸術体験として惹起するための、呪術的ツールにほかならない。
最後に慶良間の夕景を動画で。『龍宮綺想』に登場するサンセット風景は、すべて阿嘉集落外れのヒズシ浜にて帰神撮影した。
水平線の彼方に沈みゆく夕陽が、たゆたう水面に映る、ただそれだけの光景が、観る者の裡に瞑想を誘う。
PC画面の明るさを中間に設定し、部屋を暗くして、大きめの音量で観照すると、その場に実際にいるかのような臨場感を味わえる。
帰神ムービー 『慶良間夕景』 帰神撮影:高木一行
<2021.12.24>