トラベローグというのは元々、探検家などがスライドや映画を見せながら旅の内容を聴衆に報告した講演スタイルを指す言葉らしい。
 言葉(文章)や写真、動画、音楽などをウェブ上で自在に組み合わせ・リンクさせつつ生成してゆく、芸術の新しい表現様式。いわゆるハイパーメディア・アート、マルチメディア・アートは、どこにも実在しないのにインターネットにつながればどこにでも遍在するという、人類の歴史上かつて存在したことがなかった摩訶不思議な芸術形態といえる。
 この新たな表現法を活用しつつ、私は今、21世紀のトラベローグを創作し、自然なる神々への奉納として、地球調和の祈りを込め、インターネットの超時空へと、うやうやしく捧げたてまつらんとするものである。

 沖縄の気候が変わってきた、と現地の人たちもどこか不安げだ。
 以前は台風といえば、フィリピン沖で生まれ、勢力を拡大しつつ何日かかけ北上してきたものが、最近は沖縄近海で突然発生する台風があるそうだ。前日の夜まで穏やかな天候だったのに、翌朝、強い風が急に吹き荒れ始めたりすると、漁師やダイビングショップなどは船の固定作業に大わらわとなる。かと思えば、強風が唐突に収まってしまい、せっかく固定した船をまた急いでほどかねばならなかったり、・・・と、不安定にころころ転変する天気に人々は振り回されっぱなしらしい。
 天気予報もまるであてにならない。我々が西表島を訪れたのは、ちょうど沖縄の梅雨が明ける時期だったが、朝、天気予報をいくつかチェックしその日の計画を立てようと思っても、それぞれの予報内容が全部違う(呵々大笑)。同じ八重山諸島でも、隣の石垣島で大雨洪水警報が出ている時に、西表島いりおもてじまではあっけらかんと晴れていたりすることさえあるそうだ。
 ずっとそんな調子だから、私たちは天気予報に頼ることをやめた。
有漏地うろじより無漏地むろじへ還る一休み、風吹かば吹け、雨降らば降れ」・・・が、実際には、西表島に滞在中、悪天候で行動が妨げられるようなことは一度もなかった。

 さて、それではスライドショーだ。今回の西表島トラベローグでは、帰神撮影してきたヒーリング・フォトグラフを、巡礼の1日ごとにまとめてみた。
 巡礼行を、地球調和の祈りを携えながら、皆さんと(霊的スピリチュアルに)共にする、そういう趣向だ。

帰神スライドショー DAY 1

通常画質版 :
 

 高画質版 :
 

 朝一番の定期船で石垣島を発ち、約50分で西表島に到着・・・早々、新しいカメラの性能を試すべく、宿泊したペンションの庭や道端で盛大に繁っているハイビスカス、ヤシなどを帰神撮影していった。
 この島では、生命いのちの光と影のコントラストが、よそよりもずっと、深くて濃い。

月桃げっとうのかぐわしい葉で包み蒸しにしたムーチー(餅粉のスイーツ)の香りをかぐと、沖縄気分が一気に高まる。スパイシーで甘く爽やかな独特の香りには、防虫・抗菌作用もあるそうだ。

 初日の午前中は、龍宮巡礼初体験の同行者のため、星砂で有名な星砂の浜にてシュノーケリングの基本を指導。
「海の修験道しゅげんどう」たる龍宮道には、海中で修業を行なうための独自の身体操作法がある。深く潜水する際に必要な「耳抜き」のような基礎技術も、龍宮道のアプローチはトータルで調和的な、他に類例をみないものだ。
 それを使えば、より楽に・自然に、深く・長く、海中に留まれるようになるのだが、今回、シュノーケリング初心者に教えてみたところ、劇的といっていいような熟達が直ちに起こり、誰よりも本人が一番驚き、歓喜していた。

楽しげに潜っているのは、こたびの西表島巡礼で生まれて初めてシュノーケリングしたという初心者。

 午後は、引き潮で広大な干潟が現われた船浦のいりうみを訪れ、マングローヴ林の周縁に(ご挨拶程度に)少しだけ踏み込んだり、夜も車であちこち生き物を探してアクティヴにうろつき回った。

黄昏時たそがれどき鈍色にびいろの川面と、その両岸をびっしり覆い尽くす木々。夜の精霊たちがうごめき始める時間だ。

<2021.07.14>