綺想とは、形式にとらわれない・気まぐれで例外的な想い、を意味する。

ワシントンヤシとホオグロヤモリ
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 宿泊した宿の中庭に植えられたワシントンヤシに、ホオグロヤモリが住みついているのをみつけた。
 夜、建物の壁をちょろちょろ活発にはい回りながら、きゅっ、きゅっ、きゅっとさかんに鳴き交わしている。ナキヤモリの別名の由来である。沖縄ではどこへ行ってもしょっちゅう耳にするが、教えられなければヤモリの鳴き声とは気づかない観光客も多い。
 元々、南アジア原産らしいが、人の移動にくっついていって、今や全世界の亜熱帯~熱帯域にまで分布を拡げた。片道24時間かかる船旅でしか行けない小笠原にも、ちゃんといる。

ハラビロカマキリ

 上記のワシントンヤシの花がちょうど満開で、そこに集まる小さな虫たちを狙ってハラビロカマキリもヤシの木で暮らしていた。普段は葉の間に隠れていて、食事時だけ花のところへおりてくる。

浜辺の波

 巡礼2日目には宮古島付近まで台風が接近してきて、港そばのビーチは写真のように波がかなり高かった。慶良間の主なビーチはすべて遊泳禁止。那覇と慶良間諸島を結ぶ定期船も、全便が終日欠航となった。
 ところが、こんな日でも波穏やかでシュノーケリングを楽しめるシークレット・ポイントが、阿嘉島にはあるのだ。今回の帰神スライドショー2に納めた海中作品は、すべてそこで帰神撮影した。

キツネフエフキ

 これはフエフキダイの仲間のキツネフエフキ。体長30~40センチくらいだったが、大きなものは1メートルくらいになるという。
 観の目で向き合うと、各ヒレから起こった水流がこの魚の周りを螺旋状に取り巻いているのが感じられるだろう。

キビナゴの群れ

 キビナゴの群れ。
 一方から他方へと伝わるようなやり方ではなく、群れの全員がパッと同時に向きを変えることがあるのだが、龍宮道の体づかい(の際に生じる体内感覚)とそっくりだ。 
 観の目で、群れ全体を観ていると、群れの意識(集合意識)とでもいうべきものがハッキリ感じられることがある。その集合意識は、周囲の環境(光や波など)ともシンクロしながら、複雑精妙に波打っている。
 動画もご覧いただきたい。

ケヤリムシ

 ケヤリムシ。釣り餌に使うゴカイの仲間だ。近づくと、中央の管(棲管)の中にすべて引っ込め、魔法のように鮮やかにぱっと消えてしまう。シャコガイ同様、無数の小さな目を持っているらしい。

イバラカンザシ

 イバラカンザシ。上述のケヤリムシと同じゴカイの仲間である(環形動物)。
 浅瀬のサンゴや岩などを注意して探してみると、螺旋状に渦巻く小さな円すい形の本種と出会うことができるだろう。あまりに小さいので、何気なくサンゴのそばを泳ぎ過ぎるだけでは目に入らず、奇妙きてれつな形をした生き物と間近で出会うチャンスを逃してしまいがちだ。
 青いのやら黄色いの、茶色いのなど、いろんなカラーバリエーションがあるが、どれも同じ種類らしい。
 イバラカンザシもケヤリムシ同様、棲管の中に一瞬で消える特技を持っている。イバラカンザシの場合、引っ込んだ上に蓋までする念の入れようだ。
 螺旋状のものがどんな風に引っ込んでゆくのか、こうして書いていて興味が湧いてきたが、現場ではイバラカンザシの平穏を破らないよう細心の注意を払ったので、引っ込むところを観察しようという考えすら起こらなかった。

 左がクロナマコ、右がジャノメナマコ。両者とも、私の前腕(肘から手首)くらいのビッグサイズである。クロナマコの本体は名前の通り黒いのだが、細かい砂や海藻の切れ端などを全身にまとい、周りに溶け込んでいる。
 シュノーケリングに慣れてくると、風景に紛れてみつけにくい生き物たちも、自然に目につくようになり始める。

ケラマジカ

 慶良間諸島には鹿もいる(ケラマジカ)。
 夜行性のこの鹿を車で探しに行くナイトツアーが以前はあって、なかなか出会えるものではなかったらしい。が、現在では、昼間でも集落内を堂々と歩き回っている姿をしょっちゅうみかける。

帰神スライドショー2

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<2021.11.04>