Healing Discourse

ボニン・ブルー 小笠原巡礼:2013 第10部 ドルフィン・ウォッチ

 書き忘れていたが、妻が音楽制作に使っていた諸機材が、第3部の音楽に取りかかったところで、老朽化のため突然故障してしまった。
 そうした状況の変化に即応し、Macintosh標準装備の簡便な音楽制作ソフトを使って、以降の作品を創作したとのこと。
 ソフトの限界から来る単調さを回避するため、生楽器やヴォイス(声)などの有機音源が活用されているが、本スライドショーの音楽はドラム演奏のみで構成、という新しい趣向だ。

 私たちの作品に、一過性の表面的好奇心以上の関心をお持ちの方には、以下の簡単な実験を是非お勧めする。
 まず音が一切出ないようにして以下のスライドショーを観照する。
 次に、今度は音量をやや大きめにして再び同じスライドショーを観照。
 そのあまりの違いに一驚されるだろう。
 ちなみに、私たちの全てのスライドショー作品は、暗くした部屋でPC画面の輝度を中間に設定した状態で向き合うことを前提として創ってある。

 ここに登場するイルカは、ドルフィン・スイムのイルカとは種類が違うことにお気づきになった方も多かろう。
 スイムはミナミハンドウイルカ、ウォッチの方はハシナガイルカ。
 ハシナガイルカはドルフィン・スイムができないイルカとされており、人間が海中で少しでも近づくとあっという間に姿を消してしまうそうだ。
 ところが面白いもので、ハワイでは逆にハシナガイルカだけがドルフィン・スイムで人間の接近を許し、ミナミハンドウイルカはまったく人を寄せつけないという。
 小笠原でツアーガイドの1人から聴いた話だが、非常に興味深い。