スライドショー1-13 <龍宮夢幻 2> 撮影:高木一行&美佳 2010.12.22

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ライナーノーツ

高木一行

龍宮夢幻 2  撮影:高木一行&美佳 2010.12.22

『龍宮夢幻』の観[み]取り稽古を執り行ない、その結果を報告するようヒーリング・ネットワークの同志諸君に求めた。以下にご紹介するのは、私的BBSに寄せられた報告・感想の一部である。皆、観の目の重要性を認識し、相当熱心に稽古に取り組んできた成果が現われてきて、普通の無意識的な見方によってはみえないものを、普通に、自由に、観ることができるようになっている。こうなってくると、そのように「観える」のは普通でないことなのか、あるいは「観える」ことこそが実は人間本来の自然なのか、わからなくなってくるではないか。

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光と闇  投稿者:久保朋司 投稿日:2011/05/31(Tue) 00:16 No.160

 <龍宮夢幻>を観照させていただきました。
 実際には陸上であるにもかかわらず、まるで深海の一角に人知れず建てられた、広大な神殿を写し撮っているかのようです。無限に続いていくかのような回廊、鳥居の向こうに見える、七色に煌めく光を放つ神殿・・・。どれも儚く、美しい夢をみているようです。
 闇も均一ではなく、奥行きを感じます。光と闇のバランスが表情豊かに不可思議な世界を織りなしていることに驚嘆を覚えます。

龍灯  投稿者:斉藤実也 投稿日:2011/05/31(Tue) 00:49 No.161

 暗闇の中に浮かぶ灯火は、遠い過去を回想しているような、あるいは昔話の世界に誘われたようでもあり、穏やかでほのかな灯は、近づいたり、もっと良く見ようとしても、それは叶わず、蜃気楼のように消えてしまうような、はかなくも美しい感覚を覚えました。秘められし中に美しさが存在しているように感じられます。
 灯火が静かに流れ、やがて消え去っていく夢幻のような様子は、灯籠流しを観ているようで、幻想的で神秘的な物語をはらむスライドショーでした。観照させていただき、ありがとうございました。

神秘な世界へ  投稿者:渡辺義文 投稿日:2011/05/31(Tue) 01:21 No.162

 <龍宮夢幻>を観照させていただきました。
 子供のころに読んでいた本の中だけにしかなかった神秘的な世界を実際に観ているような気持ちになります。闇夜に浮かび上がる塔や回廊は、ここが異界であることを象徴しているようで、言葉を発することもできなくなるような緊張感を覚えます。妖しい光を放つ狛犬には自分の邪心を観透かされ、一喝されているようにも感じます。
 夜空に光り輝く月は、とても美しく、時代を越えて多くの人々がこの美しい月を観ていたのかと思うと、壮大な時の流れというものに感・動してしまいます。

不思議な光景  投稿者:帆足茂久 投稿日:2011/05/31(Tue) 02:22 No.164

 昼間にも観ることのできた光景が幻想的に映し出され、暗闇の中に明るく浮かび上がっているように感じられました。
 しかし観える世界が反転し、闇のほうへと移るにつれ、暗闇の中にある別世界が浮かび上がってくるように感じられました。闇の世界には自然の中に隠れていた畏怖を感じさせ、狛犬のお写真では闇のほうが浮かび上がるにつれ、口の中へと吸い込まれていきそうな印象がありました。
 そうした暗闇の世界も、再び反転すると、もとのような光景が観えてきて、さきほど現れていたのは何だったのか、そう思わせる作品に感じられました。
 これまでは眼前の光景を形作る色について、それを光と結びつけることなくとらえていたと思うのですが、光と闇とを往来していくことによって、普段の生活というのがいかに明るいところに基づいたものであるかを再認識することとなりました。

夢幻  投稿者:道上健太郎 投稿日:2011/05/31(Tue) 06:24 No.168

 <龍宮夢幻>を観照させていただきました。
 壁に映る光の反射の中におぼろに浮かび上がる幻想的な光の濃淡は、海面を挟んでゆらめく水の中にある神殿を見るようです。やわらかな光と同時に存在している深い闇にも心地よい安らぐ感覚があり、神聖な場所に歓迎されて入っていく感覚をおぼえます。作品が移り変わっていくと、鳥居の入り口から狛犬に迎えられて回廊を入っていき、あわい輝きに照らされた夢まぼろしの光景を巡り、最後に狛犬に見送られる、というような、水底(みなそこ)の海神の社をありがたく拝観させていただいてきたような心地がいたします。
 闇の中に浮かび上がる明かりが観えると、夢かうつつか、その間に存在する境に立ち、急に眼前にあらわれた夢幻郷を眼にするような歓びがあります。光を観つめていると、光から周囲の闇の中に光の粒子をおよぼすように、それをオフにすると、闇の側から闇ではない光の部分を呑み込んでいくように、全く違う感覚が訪れてきます。そうして光と闇が互いに混ざっているおぼろげな光に、光と闇のその間にいるような、不思議な夢の中のような感覚をおぼえました。

<2011.06.01 麦秋至>