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高木一行
近所の植物園へ妻とともに出かけ、秋の深まりを帰神撮影した。
秋のスピリットを探して、目についたものを片端から帰神撮影しながら園内を散策していると、桜のはなびらのようなものが、そこかしこに散らばっているのを発見した。
みあげると、実際に桜が咲いている!
近づいて花を観察したら、やはり桜に間違いなかった。
その時まで、春以外に咲く桜をいちども観たことがなかったものだから、何かものすごく珍しい、奇跡に近いものを目撃しているように感じた。もちろん「寒桜」という言葉は知っていたのだが。
桜の花や枝の間に複雑に渡されたクモの糸が、きらきらキラキラ五色七色[ごしきなないろ]にあでやかに光る、ゆらめく。
晩秋の虫たちをいざなって、夢楽園[ザナドゥー]の如く。
<2012.03.09 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)>