スライドショー6-7 <雨上がりの庭:祝福> 撮影:高木一行 2012.04.20

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ライナーノーツ

高木一行

雨上がりの庭:祝福 撮影:高木一行 2012.04.20

 昨夜から降り続いた小雨は、昼少し前にやんだ。
 ふとリビングの窓から庭先をみると、何かがそこから「打ってくる」のを感じた。「打ってくる」というのは岡本太郎の言葉だが、文字通り何か放射力のようなものが強烈にアピールしてくるのが感じられる。

 カメラを手に庭に出た。
 空はまだどんよりと少し薄暗い。気温は暑からず寒からず。湿った外気が素肌に心地いい。
 姿勢を極めると同時に観の目へとシフトすると・・・観よ! 「猫の額[ひたい]」ほどの庭のあちこちで、クリスタルのような輝きをたたえるあまたの水滴に荘厳[しょうごん]され、植物の精霊たちが乱舞しているではないか! 植物の形を通じて。風や太陽や月や大地などとダンスしながら表現されつつある生命の造形を通じて。
 踊っている。喜んでいる。祝っている。
 力強い、したたかな、ふてぶてしいまでの生命力にわきたつ、生命[いのち]の立体織物。
 妻が丹精込めて育てている草木や花たちも、雑草どもも(庭に住み着いているトカゲ一家のため雑草はできるだけ残すようにしている)、皆、春を言祝[ことほ]ぎ、わが家の慶びごとを祝って、イノチの踊りを踊りに踊っている。
 めでたい祝福の霊的杯を、スライドショーとして一献。

<2012.04.20 葦始生[あしはじめてしょうず]>