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高木一行
※[ ]内はルビ。
わが家を「龍宮館」へと変容させるリノベーション第1期工事が、まもなく終わるという。
工事の無事終了と、実際の作業に携わった大工・職人さんらの末長き健康・長寿を祈るべく、近所の速谷[はやたに]神社へ、夫婦そろって参拝に出かけた。
わが家から車で約10分。広島市街地から宮島方面へとまっすぐ延びる西広島バイパスを廿日市[はつかいち]で外れ、山側へ向け少し上[のぼ]ったところに、速谷神社はある。1700年以上の歴史を有する古社であり、宮島の厳島[いつくしま]神社、安芸郡の多家[たけ]神社と合わせ安芸の国三大社と称されるそうだ。
多くの車がひっきりなしに行き交う繁劇なエリアのすぐそばであることを一瞬忘れさせるような、一昔前の里山の田園風景が、神社周辺のあちこちに懐かしく広がっている。
秋。
実りの時を迎えた稲穂たちが、残暑の強い日差しを浴びながら、喜ばしげに風と戯れ、踊っている。
まだ青々とした紅葉の葉が、間もなく訪れる秋の深まりと充実を予感するかのように、繊細に振るえている。
ふと見上げると、天空の遥か高みを、上昇気流に乗り悠然と舞うトビたちの小さな小さな影があった。虹もかすかに現われている(作品31。クリックすると拡大)。天もまた何事かを祝福するかのごとし。
龍宮館の壁紙[クロス]は全室デザインを換え、アトリエの壁は一面のみ同デザインの色違いにした。面の途中でクロスの種類を変えるなどの無理・難題さえ言わなければ、どんな使い方をしたっていいのだ。
照明も、直感に従い、あちこち自由に。これは、家中どこででも帰神撮影できるようにするためだが、電気屋さんには余計なご負担をおかけし、申し訳ないことをした。
龍宮館は単なる「家」じゃなくて「芸術家の家」であり、のみならず人間から動植物、あるいは精霊・神々に至るまで(注1)、いろんなゲストを迎えてヒーリング芸術にて饗応[おもてなし]するための場でもあり、ヒーリング・アーツ(龍宮拳を含む)という超時空的な<叡知>(注2)を授かるための至聖所でもある。
そのような意図、意思、決意の元、旧宅をすべて神々に差し出すような気持ちにて、根本的な部屋割りの改変をもっぱら私が、内装デザインを妻が(床タイルから洗面台、バス、キッチンはもとより、壁紙やらカーテンレール、フローリング、照明、建具などなど、あらゆる箇所の細部に至るまで)、担当した。
個人の邸宅としてはちょっと風変わりに出来ているかもしれない。が、龍宮館なんだから、変わっていて当たり前だ。
龍宮とは、「あらゆる生命の源」を意味する。だから、龍宮館とは、生きることの本質を「生活する」ための、場所だ。
※本スライドショーを、龍宮館リノベーションの協力者1人1人へ、感謝に満たされつつ・慎んで、捧ぐるものである。
May Mana be with you. あなたがマナ(輝く活気)と共にありますように。
<2012.09.19 玄鳥去[げんちょうさる]>
注1:私は神とか精霊という言葉を通じ、神経的な神話感覚(体験)について述べている。迷信的な旧来の人格神等とはまったく異なるものである。
注2:人間の心身を統合して、より楽で自然な生き方へと至るための原理と方法。