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高木一行
[ ]内はルビ。
 昨年秋に龍宮館に越してから今年春に至るまでのスナップショット。
			 こうして猫たちの様々な表情や行動を写し撮り、作品化し、発表しているのは、単なる個人的な趣味では、もちろんない。
		 20世紀における最も偉大な芸術家たちの1人である岡本太郎は『沖縄文化論』において、日本の本質を探るべく本土復帰前の沖縄各地を旅した帰途、飛行機の中でふと浮かんできたイマジネーションについて述べている。
「もう一度、私は南の清らかな海のひろがり、その明るさを胸に描いた。
			 浜辺で、猫の子が無心にジャレている。——そんな、とっぴょうしもないイメージが浮かんできた。
			 私は愉快になってしまった。
			 こいつみたいだったんだな、俺は。
			 いつか、口の中でつぶやいていた。」(『沖縄文化論』より)
 猫シリーズは、猫女神バステトへの奉納であると同時に、深遠はかる能[あた]わざる宇宙の神秘の浜辺にて、無邪気に、だが真剣・誠実に、遊び戯れる真理の探究者たちに捧げられるオマージュだ。
			 龍宮館とは、特定の場所にある特別な建物のみを指す言葉ではない。それは、新たな時代の新しい価値観、ライフスタイルの一象徴にすぎない。
<2013.05.21 小満>