Healing Discourse

ヒーリング・リフレクション1 第四回 ヒーリング武術

◎第一回でお約束した、「ヒーリング・セレブレーション in 名古屋」(2021.03.22)の動画だ。
 ムービー1は、セレブレーション開始前にヒーリング・ネットワークの友人らに軽く稽古をつけている様子。長年一緒に稽古してなかったから、皆、あちこち固く、流れなくなっている。
 その閉塞状態をほぐすための様々な身体調律法が、一人一人の必要に応じ、武術的な立ち会いの中から湧き溢れるように、次々と顕現けんげんし始めた。
 調身法ちょうしんほうなのか、武術のわざなのか、あるいは共に波紋の舞を舞っているのか、もはや区別がつけがたい、その渾沌カオスの中に、<教え>がある。<学び>がある。<分かち合い>が起こる。楽しさが爆発する。
 ヒーリング・マーシャルアーツ。
 勝ち負けを競い合う戦いでなく、ヒーリングを励起するため戦いを舞う。それが龍宮道だ。
 倒され、投げられ、打たれ、蹴られ、やられればやられるほど、さらに気持ちよくなり、もっと元気になり、生の歓びに満たされる。それが龍宮道だ。
 すなわち、お互いが元気に楽しくなるわざ。お互いの可能性を引き出し合うわざ。文字通りのヒーリング・マーシャルアーツである。
 これは、痛みを与えたり、人体の生理機能を撹乱かくらんするなどして、相手を苦しめ、時に命を奪ったりする、いわゆる「武道」とは、正反対の方向性を志向する道といえる。
 武術をやっていたらいつしか健康になった、といった間接的効果ではなく、武術のわざが即、ヒーリング(調和)を生む!
 ・・・これは確かに、相当変わっている(呵々大笑)。
 観の目(どこか一部に注意を集中せず、画面全体が均等に意識されている状態)を心がけながら動画を観れば、立体感がぐんと深まり、終始一貫してずっと波紋によって動き続けるのが龍宮道であるとおわかりいただけるだろう。

 ムービー2は、セレブレーション開始から25分後あたりの場面。
 初対面で未体験という一般参加者を迎え、準備運動を兼ね、皆と次々触れ合ってゆきながら、その瞬時の触れ合いによって触発された波紋を、武術的(&調律的)わざとして自在にあらわしてゆく。
 参加者たちも、少しずつ流体的に柔らかに波打つようになり始めた。
 ああいったわざの大半を、私はこれまでまったく稽古したことがない。1度もやったことがないような動きも多い。
 これを、<帰神>現象と、我々は呼んでいる。
 わざが起こる時、「私」はそこにまったく関わってない。何もやってない。そもそも、どうやってやればいいのか、わからない。
 にも関わらず、その私が知らないこと、できないことが、誰あろう私自身によって、次々と、当たり前のように、自然になされてゆく。
 ・・・・これは一体、「誰」、がやっているのか?
 まったくもって、呪術的である。
 しかし、呪術家がやることなんだから、それでいいのであろう。

◎友人が手配してくれたウミガメ肉が小笠原から届いたので、刺し身、サテー(インドネシア・マレーシアの串焼き)、亀汁(徳之島風)の3種に調理した。

ウミガメの刺し身

 刺し身は、鹿肉に似た、あっさりした味だ。熊本の馬刺し用醤油にスダチを搾り、ニンニクとショウガのすりおろしを薬味に。
 小笠原の古老は、「時々ウミガメを食べないと元気が出ない」、と言うそうだ。

ウミガメのサテー

 以前は、バリ島のビーチエリアで時折ウミガメのサテーが食べられたというが、今はもう幻の味となっている。
 サテーは、インドネシア、マレーシアを代表する有名な料理の一つだ。ネット通販で「もみだれ」と「つけだれ」(ピーナッツソース)を手に入れれば、誰でも簡単に作れるから、是非試してみるといい。どんな肉でも美味しくできるが、牛タンのサテーは特にお勧めだ。
 ピーナッツソースは、粉末にココナッツミルクなどを加えて自作するタイプや、瓶詰めですぐ使えるものなど、いろんな種類がある。どれも味が違っていて面白い。
 慣れてきたら、焼き上がったサテーにケチャップ・マニス(インドネシアの甘くて黒いソース)をかけたり、各社のたれを組み合わせたり、ピーナッツソースにアーモンドダイス(クラッシュアーモンド)をトッピングしたり、いろいろ工夫するとさらに楽しめるだろう。
 キュウリと赤タマネギの乱切りをワイルドに添え、ジャスミン米(タイ米)と共にいただく。青みがかった濃厚なウミガメの脂肪(アオウミガメの名の由来)は、普通の料理法ではとても食べられたものじゃないが、サテーにすると突如としてエキゾティックな美味に変貌するから不思議だ。
 その真味、到底とうてい言葉にて言い表わすあたわず。龍宮の使者たるウミガメのスピリットへの敬意が、自ずから湧き上がる。
 これは、贈り物ギフトなのだ。龍宮からのたまわり物。
 だから、うやうやしく敬意を払い、マナ(生命いのちの力)をトータルに込めながら調理する。
 観の目で、ヒーリング・タッチを用いながら。
 味覚も嗅覚も、聴覚や視覚、触覚と同様、粒子的に感じ、扱いながら。

亀汁

 亀汁は、カメ肉を内臓もろとも少し煮込み、臭み消しのためすり下ろしたニンニクとショウガを加え、火を止めて瀬戸内の白みそを溶き、生のヨモギをたっぷり敷いた器に盛った。徳之島のヤギ汁の応用だ。
 かつてヨーロッパの貴族社会では、ウミガメのスープが天下の美味として褒めそやされたというが、さもありなんと思わせる上品で奥行きのある、と同時に野生を感じさせる、不可思議な香りと味わい。・・・これは確かに、「元気が出る」。

 ところで、オーストラリア先住民のアボリジニが、儀式用に少数のウミガメを捕らえることを許されている特例などを除き、公認でウミガメを食べている場所など、日本の小笠原以外、世界中どこを探してもみあたらないだろう。
 それでよく世界遺産登録の厳しい審査に通ったものだと、小笠原に住む人たち自身が驚きあきれていた。

<2021.04.17 虹始見(にじはじめてあらわる)>