文・写真:高木一行
◎本年2月22日をもって、ヒーリング・ネットワークがめでたく復興。祝祭の宴が繰り返され、ハレとケの区別つけがたき超越的日々を送るうち、新しく始めてまだ1年も経たぬというのに、「ヒーリング・ムービー」其之九でご紹介した通り、武の舞へと到達した者まで現われ始めた。
どこまでめでたくなれば気が済むのか、まあ、めでたいことはいいことだ(呵々大笑)。
◎腕立て伏せの回数を少しずつ増やしながら、日々継続してゆくことで、腕の力が増す。ある動作や技を繰り返し反復稽古することで、効率の良い動きを身につけ、戦いにおける様々なパターンを覚える。・・そういった訓練を一切(あるいはほとんど)、龍宮道では「しない」ので、それでは一体どうやって修得すればよいのかと、最初は皆とまどい、迷い、悩むようだ。
相手がこう攻めてきたら、こうして、ああして、といったテクニックも、龍宮道にはない。
ただ、腰(仙骨・尾骨)に委ねる。それも、頭が(で)委ねるのではなく、「下体の枢軸」(肥田春充)として腰を認知する。
この時、全身の虚実の配分は、次のようになる。
上体は虚にして虚。
中体は実にして実。
下体は虚にして実。
これができると、突如としてすべてが変わる。楽になる。自然になる。流れるようになる。滑らかになる。
◎どうやったらそうなれるのか? ・・・「すること(Doing)」に答えはない。「在ること(Being)」に鍵がある。これまた、以前から説いている通り。
このことは非常に難しく思えるかもしれないが、いったんわかれば、ものごとは実にシンプルになる。
在り方とは、別の言葉で言えば、「態度」であり「姿勢」だ。
その真の意味がわかれば、いかなる道においても劇的な熟達が起こる。
このことを、身体を通じて理会し、自らの心身に体現する道、それが龍宮道だ。
◎期せずしてエンライト(啓発)へと至った者が出始めたことで、龍宮道の学びの場にまた新たな活気が吹き込まれつつある。
先日も急きょ、第4回合宿稽古会(2021.12.17~19)を天行院で開催したのだが、その一場面を撮影した動画を、超越世界への奉納の意を込め、皆さんと分かち合いたい。
ムービー中盤頃に出てくる親指貫手は、御殿手(琉球王家秘伝武術)宗家の上原清吉先生より教わったわざだ。
◎今回撮影した動画だが、惜しいことに、技術的不手際にて大半が失われてしまった。
残った動画をもう一つ、武の舞の奉納として超越的に捧げながら、本連載の幕をいったん引きたい。
<2021.12.30 麋角解(さわしかつのおつる)>