文:高木一行
このたびの合宿稽古会では、2人の参加者に素晴らしい出来事が起こった。
何か特別なことを教えたわけでも・したわけでもない。のに、突如として、急激に、2人の動きの質そのものが、根底から組み変わり始めたのである。
相対の自由組手練修では、波打つ作用で軽霊にして自在、相手を思うがままに翻弄し、崩し・投げ・搦めることができる。
余計な力は一切使わない。何も考えない。にもかかわらず、身体が勝手に判断し、最適の応答が自然に顕われる。
これまでずっと、どうしてもわからず・できなかったようなことが、なぜできなかったのか自分でも不思議に思えるほどあっさりと普通に、当然のごとく、できてしまう。
それは秘められし可能性の見事な開花(の始まり)であり、宗教における悟りの境地と同質のものだ。
本人ら曰く、「あらゆるものがひっくり返ったような衝撃を感じる」、「これまで練修してきたわざに命が吹き込まれた」、と。
動画3では、あらかじめ打ち合わせも、準備も一切なく、ただ「流れる心(流心)」にて、仙骨・骨盤球を中心として互いに向かい合った時、自然に発動してくる全身調律運動を撮った。
その動きが同時に、武術のわざともなっているところに、ご注目いただきたい。これを武の舞と、我々は呼んでいる。
地球調和の祈りを込めて奉納される、神楽舞。
フルハイビジョン画質 01分35秒
上記の動画でやっているようなことを、私は一度も教えたことがない。やっている当人ら自身も、この時初めてやったというのだから、(龍宮道では毎度のことながら)もう、皆で楽しく笑うしかない。
ヒーリング・ネットワーク2の開幕と同時に、龍宮道を公式に標榜したのが本年2月22日。それから1年も経たない内に、武の舞へと至った者が2人も現われたというのは、喜び祝うべき慶事だ。
動画4と5は、新たな武の舞の開花を祝し、私から1人1人へ贈る武の舞。テーマは、「海の四季〜海神の様々な貌〜」。
動画3と比較して観ると、リラックスし続けて波紋として動くという根本原則は常に共通しながらも、各々の術者によって武のわざの顕われ方に、それぞれ独特の個性の違いがあることがおわかりになるだろう。
フルハイビジョン画質 05分56秒
フルハイビジョン画質 06分14秒
<2021.11.22 小雪(しょうせつ)>