◎有明海(熊本・宇土市)の御輿来海岸。
瞬間瞬間に移ろい続ける波の表情を、これまで好んで帰神撮影してきた。のだが、御輿来海岸で年に数回程度、潮の満ち引きと夕陽とが絶妙のタイミングで重なり合った時にのみ現出するという光景は、かなり変わっていて面白い。
波の形はずっと静止したまま、光の加減で刻々と周囲の情景が変化してゆくのである。
波のように観えるのは、実は潮流や風の作用によって干潟に描き出された模様だ。
◎御輿来海岸から沈みゆく夕陽を観ていると、対岸の島原半島から光の道が通じ、白金色に耀う(きらきら輝いて揺れる)光の龍蛇神がこちらへ渡って来るかの如しだ。「御輿(聖なるものの乗り物)が来る」という地名の由来であろう。
現代インドが生んだ賢者、故ラジニーシ(OSHO)は、「夕陽と向き合って瞑想すると、自分の内面でも同時に沈んでゆく、ある質が感じられる」と述べているが、なるほどその通りであることを、若き日に南島のビーチリゾートで体感して以来、サンセットには常に注意を向けてきた。
それでは、帰神スライドショーをお楽しみいただきたい。例によって、暗い部屋でPC画面の明るさを中間に設定し、心静かに向き合うことで、最大の「御神気(ヒーリング作用)」を受けられるよう調整してある。
<2022.03.22 雀始巣(すずめはじめてすくう)>