Healing Discourse

龍宮道メモ 第三回 対極主義1

2023.04.30

 気分転換用の付録動画として、第8回龍宮会における自由組手の一場面を。
 ゆっくり柔らかい動きで、身体を徐々に武術的動きへと慣らしてゆく。と同時に、全身的な調律をも兼ねている。
 だから、崩され・倒され・投げられ・打たれるほどに、爽快感が様々なレベルで炸裂し、元気が溢れて楽しくなってくる。
 そのヒーリングの楽しさは、心静かに動画を観照(観賞)している者の心身にも、自然に映ってくる。

動画6 『自由組手1』 撮影:2023.03.18 於:天行院

フルハイビジョン画質 03分25秒

2023.05.01

動画7 『ヒーリング・タッチにおけるAとB』
撮影:2023.03.18 於:天行院

フルハイビジョン画質 03分44秒

 龍宮道、ヒーリング・アーツでは、説明の便宜上、「A」「B」という「仮称」を用いることがよくある。このAとBは正反対の位相(対極)であり、AとBをぶつけ合うことでヒーリング爆発を呼び招く手法は、岡本太郎のいわゆる「対極主義」の具体的実践と言える。
 動画7では、タッチ面をABに分け・統合してヒーリング・タッチへと変容させること、そしてヒーリング・タッチ状態では術者の息(呼吸)が受け手へと自然に映ってくる(息が合う)ことについて説明がなされる。

2023.05.03

 腹直筋に拳をヒーリング・タッチ。タッチ面の上をA、下をBとする。Aへの意識と、それと相対立する対極としてのBへの意識、両者を鏡に映し合うように「同時・均等・正反対方向に」(これを龍宮道では相照的と呼ぶ)統合する。つまり、単に「腹直筋に拳でタッチする」だけでなく、「胸郭と骨盤(恥骨)を上下に橋渡しする腹直筋にバランスよくタッチし、胸郭と骨盤の間に均等な張りを生じさせる」。
 このようにすると、弓のように張った腹直筋を通じ、身体内部へと波紋を送り込むことが可能となる。これは、井上仲子創始になる筋骨矯正術の基礎原理の一つだ。

動画8 『腹直筋への縦拳によるヒーリング・タッチと当身への応用』撮影:2023.03.18 於:天行院

フルハイビジョン画質 05分49秒

2023.05.06

 上記を応用し、「打たれる」ことと「打つ」ことにABを応用。
 一見しただけでは一体何をやっているのかわからないだろうが、まず最初に腹を打たれる側が、その打たれたところを上と下から均等に意識する。これを交互に行ない、次は打つ側が上下のABを意識する。
 初めていきなりこんなことをやったので、うまくできている者もいれば、打撃を弾き返すことに集中し過ぎてABのバランスが崩れがちな者もおり、いろいろである。こういうことをやらせると、皆さんすぐ夢中になって時が経つのも忘れるようだが、お子様じゃあるまいし、もっと高等かつ高尚な稽古をやっていただきたい、とは思う。

動画9 『腹への当身と受け身の稽古』
撮影:2023.03.18 於:天行院

フルハイビジョン画質 02分01秒

<第四回へ続く>