◎前回ご紹介したエクペダン修法の実践報告、感想が、ヒーリング・ネットワーク同志諸君始め一般読者からも寄せられている。以下に、適宜抜粋してご紹介していく。
<報告1>
ヒーリング随感2を御始めいただき、有難く拝見しております。フォーミュラをひとつひとつ実践しておりますが少し難しく感じるものもありますが私なりに効果を感じるものも多く、文章にてここまでのものをお伝えいただけることに感銘致します。
・・・中略・・・
エクペダン修法では、片脚で立つというシンプルな行為がこんなにもエキサイティングなものになるのかと、その変容ぶりに驚きました。行ったあとは左右の脚のバランスが明らかによくなり、動きの質が直ちに変化するのが感じられました。しかも時間は舞の時間を入れても数分で行えるというところも、私には有難いものでした。
岡本太郎の本は読んだことがありませんでしたが、是非読んでみようと思っております。これからもヒーリング随感2を楽しみにしております。御忙しい身でありながら、惜しみなく分かちあっていただけること、深く感謝致します。<K.H 男性・京都府>
<報告2>
ご紹介していただきました修法をまず手順通りに試みたところ、フォーミュラ1のやり方では、終わった後に体を動かそうとしても、なんだかとてもギクシャクした動きとなっており、普段になく妙な動きとなっていました。
それに対して、フォーミュラ2のやり方では、バランスを取っているところと認識して行なうだけで、終わった後に体を動かすと、前にくらべて動きが大きく滑らかであり、またこれまでにないような動きをしていました。
この体験は過去の自分の動きというものが型にはまっていたか、あるいはこれまでの自分の動きには使われていない部分があったのではないかとすら感じました。わずかに試みただけで、これほどの違いがあらわれたことにたいへんな驚きを感じています。<S.H 男性・大分県>
<報告3>
<フォーミュラ1>を実践した後、身体の状態を確認しましたが、確かにより固くなり、流れが悪くなったことが分かりました。バランスを取ろうとして床に着けている方の片足がグラグラ動いたり、上体が揺れたりしましたが、それによって倒れないようにしようと自分自身で身体を力ませていたこともよく分かりました。
<フォーミュラ2>を実践し、動きに委ねていくと、片足で様々にジャンプし始め、上げている方の足や両手など全身が思いがけない動きをし始めました。
両足で1分間行なっただけなのに、息が上がってしまい、「運動量が多い」と書かれていたことを実感しました。
そしてすぐに確認してみると、その前の状態より、よりなめらかに、楽に動くことができ、感動しました。<N.S 女性・神奈川県>
<報告4>
まず、<フォーミュラ1>を行なうと、大きくバランスを崩すことはなかったのですが、<フォーミュラ2>を注意深く行なっていると、バランスを取ろうとして力が入っていることに気づきました。
その入れている力を絞ってレット・オフすると、これまで動かなかったのが嘘のように、全身を使って動きはじめてきました。
何セットか行なっていると、膝が粒子的に溶け合わされる感覚が感じられました。
舞を行なうと、実践の前と後では、全く動きの質が変わってしまっていて、のびのびとして自由な動きが現れはじめ、これまでの自分自身が、全てにおいて如何に頑なで先入観にとらわれていたのか理会しました。
ご教示いただきました修法を、日々しっかりと練り、研鑽させていただきます。
よろしくお願い致します。<H.M 男性・東京都>
<報告5>
フォーミュラ1を実践してみると、確かに無意識のうちに、体を固めてバランスを取ろうとしているのが感じられました。これは、大変気持ち悪く感じられ、あまり長くは続けたくないと思わされました。
フォーミュラ2で意図を切り替えると、先程までとは比べものにならないほど繊細に全身に揺らぎが起こり、それが全身のバランスを整えているのが感じられました。
舞を挟みながら実践していくと、回数を重ねるごとに体が楽になり、また動きも滑らかになっていくのを感じました。
傍目には片足で立っているだけの修法が、意図の持ち方を変えるだけで、これほどまでに劇的な変容が生じるという事実に、ヒーリング・アーツの奥深さをまざまざと感じました。<S.M 男性・宮崎県>
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妻は、楽器を弾くという彼女が日常的に行なっている行為において、エクペダン修法がどういう影響を及ぼすかを実験し、次のような感想を報告している。
<報告6>
まず、何もしない状態でいきなりオルガンを弾き、その後、エクペダン修法を行なってから同じ曲を弾いた時の感覚を比べてみました。
明らかに、後者の時は弾く時に自分の身体感覚が「しっかり」しているのを感じました。手、足、胴体、すべてが「確かにここにある」感覚はとても新鮮で、リズムも安定し、音を外したりするミスも少なくなります。
それに比べると、何もしていない時(つまり普段の状態)は、体の感覚が希薄で、何か遠くから指令を出して手足を動かしているような不安定さがありました。これが「頭で手足を動かそうとしている状態」なのかもしれません。
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◎ちっぽけに見える足には、実は物凄い機能/能力が秘められている。
足は、全身丸ごとを支える土台だ。足によって、全身は運ばれる。体が足を運んでいる(押し出し、引き寄せる)と仮想している人が多いが、真実は逆だ。
静かに立っている時でも、足は全身と緊密に響き合い、姿勢の狂いを足裏で瞬時に感知し、調整することを、休みなく続けている。
この、足腰の重要な機能の1つである「バランス作用」を、全身の高度な調律のため積極的に活用する。それが、エクペダン修法だ。
◎片脚立ちという、足の機能をフルに発し揮(ふる)わすべき時にあたり、足の邪魔をしない。足が床(大地)と跳ね回ってダンスするのを、ただ静かに観守る。
観[み]・守るためには、外側の客観的対象としての足をじっと見つめようとする、その外側という方向性(目から直線的に足へと到る連続性)をそっと強調し、それをオフにする。
すると、そこからオフの波が起こる。それに乗って、乗り続ける。・・・これがレット・オフ。動中の静。
<2010.05.08>