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高木一行
マブール島のまわりでも、実にいろんな種類の魚たちと出会った。
海中の巡礼写真に毎度登場するおなじみのフグ君(ヨゴレフグ)。今回は装いも新たに(作品04)。
未来的造形美のコブヒトデ(作品09)。アオヒトデはクール・セクシー(作品16)。海星[ひとで]はいっぱいいるが、形、色、姿勢が、全部違う。
時に、ウミガメもやってくる。ウミガメだって、甲羅の模様や顔つき、体型が、1頭1頭、皆違っている。この海域ではアオウミガメとタイマイ、2種類のウミガメと出会える。
砂地、岩場、サンゴ礁、いずれの光景[ランドスケープ]も変化に富んでいて面白い。
ワニゴチ、をあなたは観抜かれたろうか(作品03、17)?
私は、それまで一度もみたことがなかったにも関わらず、完璧に擬態している「それ」が、一目で「わかった」。
後でその状況を動画(静止画の連続)的に逆想起して(記憶を逆再生して)みて、パターンの左右対称が魚の形をなしていることの不自然さに、無意識レベルで気づいたのだとわかった。
・・・わかりにくい書き方で申し訳ない。記憶の方向性(通常、過去から未来へ)をレット・オフにより反転させることについて、私は述べている。
記憶の向きもまた、反転させることができる。ちょうどビデオ映像を巻き戻すみたいに。これは、インドの賢者・OSHOの本で学んだことだ。
記憶逆転に熟達すると、いわゆる過去生も思い出せるようになるという。私は現在、ようやく誕生時とか子宮内あたりまで遡[さかのぼ]り得た、といったところだ。
ちなみに、私は、通常語られる意味での過去生なるものを、まったく信じてない。念のため。
岩の下に隠れてあたりをうかがうリーフスティングレイ。ウニの毒トゲに護[まも]られている(作品12)。
ご本尊のエイそのものも、凄い毒の持ち主らしい。尾の毒トゲにやられると何ヶ月も痛みが続くというから、海中では「触らぬ神にたたりなし」が原則だ。
とはいえ、帰神撮影ともなれば、海中で静止するため、時に手ごろな岩などをつかまねばならぬこともある(生きた珊瑚には決してタッチしない)。
私は、今回そんな風にして帰神撮影に夢中になるあまり、指先を何箇所か、ウニにやられてしまった。マブールの海は、あちこちウニだらけだ。
これに刺されると、結構痛い。瞬時に力を抜いて痛みに委ね切ってしまえば楽になるが、初めての人はちょっとびっくりするかもしれない。それに「毒」があるから(そんなに青ざめなさんな。弱毒じゃ)、何だか手が痺れるような、無気力を誘うような、変なけだるさも覚えるだろう。気にせず放っておけば、数分で去る。
ウニのトゲ(刺さったまま簡単に折れる構造になっている)は、当分の間あなたの皮膚の下に留まり、時折指先が何かに当たったりした際などに強い痛みを発して、海での油断を警告する。
ゴメンナサイ、コレカラキヲツケマス。
実際、気をつけるべきだ。君子危うきに近寄らずの逆を常にやってきた私は、当然ながらこれまでの人生で、何度かあやうく命を落としかけたことがあるが、その大半は海の中で起こっている。
そんな時は、いつも油断していた。気を抜いていた(数時間のシュノーケリングが終わってさあ乗船、という時などに)。
クマノミが舞う、イソギンチャクが揺れる。踊る。
ホシサヨリたちが、ファンタジックなきらめきをあたりに振りまきながら、いずこかへ急ぐ(作品25)。
遥かなる憧れの島。マブール。
<2011.09.23 秋分>
※2011年度 海の巡礼シリーズ:関連リンク
◎Healing Photograph Gallery1『エルニド巡礼記 @フィリピン』/『パラオ巡礼:2011』/『ボルネオ巡礼:2011』
◎Healing Photograph Article『エルニド巡礼記・余話』
◎ヒーリング・ディスコース『レインボーズ・エンド パラオ巡礼:2011』/『ヒーリング随感3』第3回、第6回、第8回/『ヒーリング随感4』第21回
◎ヒーリング・ダイアリー『ヒーリング・ダイアリー4』