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高木一行
マブール島では毎夕食後、水上コテージのバルコニーにて、夫婦ならんでデッキチェアに寝そべり、満天の星空を仰いだ。
これは、かなり楽しい。心身が宇宙大に拡がる豪壮な気分も味わえる。
ある晩、例によってデッキチェアに寝転がりながら、ふと漆黒[しっこく]の海面に目をやったら、そこで奇妙な金文字が踊っているのが目に留まった。
何が映っているのかとみあげてみれば、ハーフムーンに近い月が、ボルネオの高い高い夜空で煌々[こうこう]と輝いていた。
月と波がダンスと交合を繰り返しながら、一期一会[いちごいちえ]の自然文字を描いていく。
観の目で観ると、面白い。凄い。絶妙である。
瞑想していたムハンマド(マホメット:イスラム教開祖)の前に突如として、神聖文字としてのクルアーン(コーラン:イスラム教の聖典)が顕現したという故事なども思い起こされて、興味深い。
妻に教えて、早速帰神撮影とあいなった。バルコニーのてすりにカメラを固定し、シャッタースピードをあれこれ変えつつ撮影。
そして・・・・・・・・・、
またしても、新たな芸術表現が啓[ひら]かれた。
自然の心を映し撮った、超越的な宇宙書道。
人間の雑多な思いやはからいが一切混じってない、純粋な天然波動による無垢な線。
水は月を写すとも思わず、月は水に移るとも思わず。マブールの浅瀬。
かしわ手を随時打ち鳴らしつつ、近未来の風流をご観照あれ。
<2011.09.25 雷及収声>
※2011年度 海の巡礼シリーズ:関連リンク
◎Healing Photograph Gallery1『エルニド巡礼記 @フィリピン』/『パラオ巡礼:2011』/『ボルネオ巡礼:2011』
◎Healing Photograph Article『エルニド巡礼記・余話』
◎ヒーリング・ディスコース『レインボーズ・エンド パラオ巡礼:2011』/『ヒーリング随感3』第3回、第6回、第8回/『ヒーリング随感4』第21回
◎ヒーリング・ダイアリー『ヒーリング・ダイアリー4』