2012.04.09
天行院とわが家の庭に植えてあるイラクサ(正式名称はセイヨウイラクサ)。
冬には地上部が枯れるが、春になると毎年花を咲かせる多年草だ。
このハーブは、とくにヨーロッパで万能の良薬として珍重されているという。
イラクサの葉には、よくみると小さくて柔らかいトゲがびっしり生えていて、直接肌と触れあうとビリっとしびれるような刺激があり、数時間から半日くらいずっと痛みが続く。
このトゲにはヘビの毒によく似た成分が含まれており、かつてヨーロッパでは、イラクサの束で体を打って体力を増進したり、関節部を打ってリウマチを治すという習慣もあったそうだ。
ローマの詩人ペトロニウスによると、男性の精力を回復させるには、イラクサの束で臍の下、腰の上、尻の上を打つとよいという。ある無類の女性好きの男性などは精力増強のために、定期的にイラクサの上でごろごろ体を転がしたそうだ。
利尿・浄化作用があり、尿道結石、尿閉、下痢止め、出血止め、催乳にも効く。
うがい薬にすれば口内炎、歯肉炎に特効があり、ローションにすれば皮膚を美しくし、育毛にも著効があり、浴用剤にすればリウマチや月経困難を改善できるという。
最近では、花粉症に効能があることで注目を集めている。イラクサはまさに万能の薬だ。
※参考文献:『メッセゲ氏の薬草療法』モーリス・メッセゲ著(自然の友社)
2012.04.06 天行院にて撮影 カメラ:ペンタックス K-5
Nettle leaves in the garden.
2012.04.06 Photographed at Ten-ko-in(private dojo studio) Camera : PENTAX K-5