Healing Discourse

質疑応答 [第4回] 熱鍼法

<第7の質問>
 相承会に参加させていただき、その度にヒーリング・アーツの素晴らしさを実感させていただいております。毎回個人指導さながらの懇切丁寧な御指導の姿勢には、いつも頭が下がる思いです。
 この感動を是非とも身近な人々や、地域の人々と分かち合いたく思っているのですが、どのようにすればこの学びを人々と分かち合うことができるのでしょうか。各地に高木先生がお越しになられるのが一番であるとは思うのですが、度々となると難しいと思われ、単純に考えますと各地で練修会、研究会を造ることがこの学びを分かち合うことができる有力な選択肢であると思うのですが。今後の地域活動につきまして、何か構想がありましたらお聞かせ願いたいのですが。
 私は仕事柄、中高年者と関わることが多いのですが、体の不調を訴える人が多く、彼等を見ていますと、人生に対する喜び、輝きが一般の人々より少ないように感じています。
 今迄学ばさせていただき、ヒーリング・アーツが彼等の福音となり、健康増進や人生の意義を見つけるものとしての大いなる可能性を信じております。できれば彼等と一緒にヒーリング・アーツを学び、ともに人生を光り輝くものとして前向きに歩んでいくことを願っており、またそれが実現出来ますよう、御回答宜しくお願い致します。

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 これは兵庫県の井田浩之君からの質問だ。
 体も心も硬直し、生命機能の衰えた老人や慢性病者は、内的な生命の流れが滞ってヘドロが積もったようになり、容易には動かない状態に陥っている。そういう人たちには、柔らかくかすかに・・なんてやっていても埒(らち)が明かない。強烈かつ鮮烈な刺激を最も効果的に与える必要がある。
 病弱者が自力でできることは限られているから、身体の不調和が整って基礎体力がついてくるまでは、他者から施術を受けることが中心になるだろう。
 療術の専門知識・技術を持たない者が、直ちに病者に施術して大きな効果をあげることができ、正しく行なう限りにおいては安全無害なヒーリング法・・・そんな夢みたいな手法が、かつて現実に存在した。
 平田内蔵吉(ひらたくらきち)が創始した「平田式熱鍼法(ねっしんほう)」が、それだ。戦前、全国的に流行したが、創始者が若くして沖縄戦で玉砕したことと、戦後の混乱により道が断絶し、歴史の中に埋没していこうとしていた。

平田内蔵吉(右)。左は肥田春充(肥田式強健術創始者)。

 妻の美佳と私は、内蔵吉が残した著作を指針として、約10年間、幻のヒーリング法の発掘・再現に取り組んできた。昨年、長年の努力がようやく実を結んで、熱鍼法を現代的な形で甦らせることに成功した。
 熱鍼法は非常にシンプルな手法だ。熱鍼器という器具を使い、皮膚表面に点々と連続熱刺激を与えていく(いうまでもなく、刺激場所と刺激方法に関する基本ルールがある)。
 誰でもすぐに修得して自他に実践し、すぐに効果が実感できる。心身の活力が増して、様々な病気も自然に癒えていく。
 ある程度健康な者が行なえば、身体がよりしなやかに軽やかになり、感受性が非常に高まるから、身体を高度なレベルにチューニングするための利器として活用できる。私も激しい稽古でどこかを痛めた時などは、いつも熱鍼法のお世話になっている。
 井田君はこの熱鍼法を妻から習い、研究会という形で周囲の人々に次々と試しているようだ。伝授後約2ヶ月が経過したが、その間に彼から妻の元に寄せられたメールの一部を以下にご紹介しよう(いずれも抜粋)。 

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◎昨日初めての研究会を、参加者は男性1人ですが行ないました。
 この人の歳は49歳で、ゴルフが趣味なのですが、左手が痺れて感覚がなく、握力も無くなり辛いということでの参加でした。
 最初全身を振っていこうとしたのですが、肥満体で、しかも足がパンパンに腫れ上がっていたため、それも思うように出来ず、そのためごく簡単な基本で体をほぐすことから始めました。その後、熱鍼器で2回背中全体に丁寧に行なっていきました。
 すると終わった後には、動かなかった手が回りだし、握力が復活し、それまでしゃがむ姿勢が出来なかったのができるようになり、奇跡みたいだと非常に喜んでいました。5年前から整形外科に通い、またカイロ、整体、鍼に通ってもまったく効果があがらず、手術しましょうと医者に言われていたところで、また手術しても手のしびれは取れないと言われ、落ち込んでいたのですが、たった1回の研究会で快方の兆しが現われたと非常に喜んでおりました。
 彼の父親は末期ガンということで、近所の集会所で研究会を是非してほしいと本日依頼がありました。またその知り合いに特養老人ホームの理事がいるということで、今週か来週に熱鍼法について話をしていこうと思っております。
 まだまだ始めたばかりで気が抜けませんが、これを分かち合いの機会にし、ヒーリングの輪が広められたらと思っております。
 以上、簡単ではありますが、ご報告差し上げます。

◎昨日2回目の研究会を行ないました。
 参加者は先週参加した男性と、70才の男性でした。この人は、私が運営するNPO法人で以前アルバイトをしたことがある人で、たまたま先週電話があったため、会って誘ってみたところ参加するということでした。彼は現在、腰にヘルニアを煩っており、春から神経注射を2回打ったとのことでした。また彼は右前頭葉の摘出手術を行なっており、少々感情表現が分かりにくいところがあります。
 1人に熱鍼法を行なっている間準備練修をしながら待ってもらっていたのですが、高齢者の為か10分弱でやめてしまいました。やはり高齢者は根気がないのだなあと感じさせられました。2人だったので、交代に熱鍼法を行なっていき、70才の人には2回、もう1人には3回丁寧に行なっていきました。
 終わってみますと、49才の男性は動かなかった左腕が、前回にまして小学生のように何のストレスもなく高速で回すことが出来、非常に喜んでおりました。左手も痺れは残っているものの、握力はほぼ戻ったようでした。
 高齢者の方は腰の痛みはあまり取れていなかったようですが、身体がすっきりとしたということでした。脳の手術を行なって13年になるそうですが、手術直後からずっとひどい耳鳴りが続いていたそうで、薬を飲んでも治らなかったものが、終わってみると耳鳴りが13年ぶりにぴたりと止まったと驚いていました。このまま止まればいい事例になるのではと思っております(注:その後現在に至るまで再発せず)。

◎本日ガンの人の所へ行ってきて、熱鍼法を行ないました。2日前に抗癌剤の薬を打ったらしく、お腹の具合が悪いと言っていました。
 様子が分からないので、とりあえず腕から行なっていきました。その後、本人から背中を行なってほしいと服を脱ぎ出したので、様子をききながらゆっくりと行なっていきました。終わると非常に気持ちが良いと言っていました。
 最近尿と便が出にくく、トイレに非常に時間がかかると言っていました。彼が、熱鍼法が終わってからすぐにトイレに行ったのですが、朝から調子が悪く、浣腸をしても便がなかなか出ず、非常に困っていました。その間に家族にメガビタミン健康法(注:ビタミンCの大量摂取)とイルリガートル(注:腸内洗浄器)の話をしますと、早速買うと言ってイルリガートルを近所の薬局に注文していました。
 熱鍼法を行なった結果を詳しく聞こうとしたのですが、前述のようにトイレに行きっぱなしで、どう感じたのかを十分に聞くことが出来ませんでした。とりあえず正月中にもう1度行って、熱鍼法を行ないながら再度確認致します。
 最近熱鍼法を行なっていますと、ほとんどの人が健康に関する知識が皆無で、医者任せであることがハッキリとしてきました。まったく自分の身体には無頓着で次第に恐ろしさを感じるまでになってきました。
 もうすぐ休みに入りますので、そのうちにチラシを作成し、来年からスムーズに研究会が行えるよう段取りをしていきたいと思います。

◎母親が最近急に体力が無くなり、また背中が曲がり首が前に出てきたため、熱鍼法を行なっております。行なって2回目から徐々に元気になりだし、また熱鍼法を行なうと背筋が比較的まっすぐになり、父親とともに驚いております。昔お灸をした経験があるせいか、熱さには比較的受容性があるようで、熱くてもあまり文句をいわずに受けております。また最近は身体のむくみも取れてきたようで、その効果に家族全員で喜んでおります。
 また私自身の場合、背中に永年しこりがあったのですが、数回熱鍼法を行ないますといつの間にかそれが無くなっておりました。不思議としか言い様がなく、その絶大なる効果に感謝しております。

◎昨日、以前から参加している左手の悪い男性と研究会を行ないました。約1ヶ月振りで本人は非常に楽しみにしていたとのことでした。
 末期ガンの父親の具合を聞きますと、ビタミンCを大量に飲みはじめて約3週間になるのですが、最近非常に体調がよくなり、今まであった身体のむくみや目の隈が消えて無くなったそうです。ビタミンCの摂取はベッドの上に常に錠剤をおいて頻繁に飲んでいるそうです。イルリガートルについて聞いたのですが、手には入ったものの使用していないとのことでした。理由を聞くと、購入したのが近所の調剤薬局で、使用にあたり医者に聞いた方が良いと脅されたのと、ビタミンCを飲みだしてから、ずっと下痢を起こしているため今は必要無いと本人が判断したようでした。
 年末までは、医者にあと1年か2年は家族のことが心配なので生かしてくれと頼んでいたそうで、いつも抗癌剤のせいでぐったりと元気がなかったのが、最近は死ぬ気がしない、あと一花咲かすと意気揚々としているそうです。熱鍼法も気にいっており、息子共々早く熱鍼器がほしいと言っているそうです。食事につきましては発芽玄米か、最近よくコマーシャルをやっている雑穀に変えて菜食中心にしてみて下さいとも言っておきました。
 本人に左手の状態を聞きますと、握力は回復したままで、また痺れも未だあるということでした。その時聞いたのですが、最初は片方の脚も痺れていたそうで、1回で回復したため報告を忘れていたそうでした。
 最初は片足で立つのも困難だったのですが、2回目からはまるで子供のように立てる立てると私に毎回見せております。今回3回目で、腹を柔らかくほぐすことから行ない、熱鍼法を行ない、純自然体休養姿勢(安静姿勢)を行なったのですが、枕がないと仰向けになるのが辛そうで、普段から出来るだけ低い枕を使用するようにとアドバイスをしておきました。熱鍼法を行なったあと感想を聞きますと、視界が広がったように感じると言っておりました。
 先ほど本人に電話をしてみますと、帰宅してすぐに食事もせずに寝たということで、その後夜に起きると手の痺れが無くなっており、朝起きて腕を動かすまで痺れが消えていたそうです。起きて暫くするとまた痺れだしたそうですが、回復の兆しが見えてきたように感じております。うっかりして今まで試していなかったのですが、昨日は初めて左腕に熱鍼法を行ない、それが効いたのかも知れません。

◎本日帰宅した際、母親が昨日から右足が痺れて動かないと言ってきましたので、早速先日教えていただきました腰を和らげる操法を行ない、その後熱鍼法を行ないました。特に右ふくらはぎに行なっていきますと、その部分が痙攣を起こしていきました。その後歩かせてみますと、それまで何かにつかまらないと歩けなかったのが、何もつかまらずにいつもの通り歩き出し、軽くなったと驚きながら喜んでおりました。熱鍼器の温度を約64度に設定し、1時間ほど行なったのですが、今さらながらその速効性に驚くばかりであります。
 今回御報告が遅れたのですが、癌の高齢者の具合を息子に聞いてみました。すると先週の検査で癌の細胞が減少したということでした。ビタミンCか年末から打っている新しい抗癌剤の効果か分かりませんが、最近特に顔の肌つやも良くなってきたということで喜んでおりました。できる限り早く再訪問して熱鍼法を行なってきたいと思います。

◎昨日、ガンの人に熱鍼法を行なってきました。
 まずは背中を行ない、次に脚に行ない、そしてまた背中に行なっていきました。背中を見たところ、病人とは思えないほど皮膚につやが出ておりました。息子も吃驚して、以前はどす黒くぶつぶつだらけだったのに背中、顔が美白になっていると驚いていました。最初は体調があまりよくないと言っていたのですが、帰りに顔を見てみますと、顔が赤くなり血行がよく見えました。
 トイレに行くと、私はよく分からないのですが、尿からガンの臭いがして臭いといっておりました。それだけ飲んでもビタミンCがまだ尿から出ていないのではと思い、今日から飲む量を倍にして下さいと伝えました。
 この人の奥さんがお琴の先生で、生徒さんが2人来ていたので、その人たちにも体験してもらおうとしたのですが、どう説明したのか、鍼をさされるというふうに伝わっていたらしく、まずはどんなものか見てみたいということでした。
 見ていると生徒さんは、恐る恐る熱鍼器にさわり、なにか特別なものが先端から出ているのですかと聞いてきたので、温度をあげているだけですと説明しました。跡も残らず、父親も気持ち良いと言っていたので、女性の1人に腕に熱鍼法を行ないました。彼女は膠原病で、体中に湿疹があり、かきまくっているため汚いので、背中は見せたくないということと、腕が痛く、また右手の薬指が曲がって真直ぐになりにくく、月に1度指に非常に痛い注射を打っているということでした。熱鍼法を行ないますと腕が非常に軽くなったと言っておりました。非常に気持ちがよかったということで、次回は主人を連れてきて見せてみたい、また熱鍼器を購入したいと言っておりました。
 時間があまったので、息子の方にも熱鍼法を行ないました。寒いためか、背中にしこりが見られましたので、そこを重点的に行ないました。終わってみると姿勢が変わり、以前から比べますと胸が開いてきたように見られました。首も伸びてきたようで、腕の痺れの感覚が最近変わってきたと言っていました。今日聞いたところでは、昨夜は久しぶりに熟睡できたとのことです。

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 平田内蔵吉は、明治34年(1901年)播州赤穂に生まれた。
 中学生の時から各種の健康法、心身修養法に強い関心を持ち、当時流行していた岡田式静座法や川合式強健術(後の肥田式強健術)を熱心に実践したという。
 その後、京都帝国大学に進み、世界的哲学者である田辺元、西田幾多郎の薫陶を享けた。この頃、義母が胆石痛に苦しみ、あらゆる医療を試しても効果がなかったが、無痕灸という民間療法を受けたところ2週間で癒えてしまった。
 治病の道に大きな可能性を感じた内蔵吉は、京大卒業と同時に、京都府立医科大学に入学した。在学中に熱鍼法を創始して平田式心理療法として発表、それが雑誌などで紹介され、内蔵吉の名は一躍全国的に知られるようになったのである。
 こうした状況が大学当局との間に軋轢を生じさせ、内蔵吉は卒業寸前で医大を自主退学してしまう。
 その後彼は、日本で独自に発達を遂げてきたいわば日本古医道ともいうべき諸種の東洋的手法と、明治以降一挙に外国から流入し始めた西洋的手法(西洋医学を含む)とを弁証法的に統合止揚し、トータルなヒーリング体系を打ち立てようとする壮大な試みに情熱を燃やした。
 病に苦しむ人々の治療に携わるとともに、詩人、体育研究家、科学史家、宗教的求道者、易断研究家として、各方面で天才ぶりを遺憾なく発揮している。平田内蔵吉の業績については、久米建寿氏の労作『東洋医学の革命児』(たにぐち書店刊)に詳しいから、興味がある方は是非参照していただきたい。

 熱鍼法の基礎原理は、体表面に沿って熱刺激を点状に連ねていくことで、内臓の不調と対応して皮膚上に表われる電位の乱れを是正することにあるという。理屈はともかく、実際に施術を受けてみると、皮膚面に働きかけているだけなのに、身体の奥深い部分にまで影響が波及していくことが直ちに実感できる。
 熱鍼法が広く一般に行なわれていた昭和初期には、写真のような器具が使用されていた。熱鍼器(心療器)という。じょうご状の部分にアルコールを浸した石綿を入れ、それに点火して熱くなった先端部分で皮膚と触れ合っていく。しかし実際に使ってみると、1〜2分ごとにアルコールを追加して点火し直さなければならない不便さに加え、温度が一定しにくいという欠点があることがわかる。

オリジナルの熱鍼器。

 現在、熱鍼器にヒントを得て制作された電子機器が市販されているが、非常に高価で一般向きとは言い難い上に、開発者が熱鍼法の本質を理会していなかったものとみえて、構造上の重大な欠陥がある。私も妻と共に数年間試用・実験してみたが、爽快感と同時に不快な鈍いだるさを引き起こすため、とても実用にならないという結論に至った。
 ヒーリング・アーツ修養者でもある津田壮一君の協力を得て、何度も試行錯誤を重ねた末、熱鍼法を正しく行なえる機器が、今はまだ試作品の段階だが出来上がった。発熱部分は市販のハンダゴテを流用するなど、無用な経費をできるだけかけないよう様々な配慮工夫がなされている。

新しい熱鍼器の試作品(2種類)。必要な温度を安定して供給できるようになった。

 昨年末のことだが、近所に住む81歳の女性がほとんど寝たきりになっているというので、早速熱鍼法を試してみた。時間にして30分程度、脚裏と腰に施術した。
 直後から機敏に動けるようになり、それまで他人にはかせてもらわなければならなかったズボンを自力ではけるようになった。そばで見学していた家人も驚いたようだ。
 熱鍼器を貸し出して家人に行なわせたのだが、1週間もたたないうちに時折庭を自発的に散歩するほど元気が出てきたそうだ。最初は会話も不明瞭で痴呆の一歩手前という感じだったが、先日会った時には普通に話ができるまでに回復していた。
 この他、ちょっとした痛みや凝りなどに用いてたちどころに効果があがったという実例は、枚挙にいとまがないほどだ。

熱鍼法の施術。

 ヒーリング・アーツの世界に熱鍼法を置いてみると、ごく自然にフィットしてどこにも違和感を感じない。現われた形式はまったく違うが、同じ源流に端を発しているのではないかとさえ思えるほどだ。
 機具を必要とするから少し不便ではあるが、機械化によって高度ないやしの術が大衆化されたメリットは、欠点を補って余りあるといえる。
 東洋医学の粋である灸と鍼の長所を融合統一し、短所を一掃した効果を、療術の素人が簡単にあげられる手法、それが熱鍼法だ。
 特殊なテクニックを長年月を費やして修得しなければならない、皮膚を傷つけ(鍼)、痕が残る(灸)、資格を取得しないと他者に施術できない、・・・鍼灸の短所といえばこんなところだろうか。また鍼灸では実(エネルギー過剰)の部分に対しては鍼を使って冩(排泄)、虚(エネルギー不足)に対しては灸による補など、いろいろ面倒くさい使い分けが必要らしい。
 ところが、熱鍼法では熱鍼器を当てた際に受け手が鋭い痛みの感覚を感じる箇所が実、熱さとして感じる場所が虚であり、実に対しては鍼的に冩、虚に対しては灸的に補の働きかけが自動的に行なわれるから実にシンプルだ。
 熱鍼法のような「わかりやすく、すぐできるようになる」メソッドをきっかけとして、いやしの道に関心を持つ人が今後たくさん出てくるかもしれない。質問者の井田君は、療術に関する知識も技術も皆無のところから始めたのだが、彼を中心とするいやしの波紋は着実に拡がりつつあるようだ。
 まだまだ粗削りで不充分だが、食養・安静・排泄に関する厳正な注意を熱鍼法とクロスオーバーしていけば、さらに目覚ましい成果をあげていくことができるだろう。

<2008.02.20 土脈潤起(どみゃくうるおいおこる)>

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