◎第10回龍宮会の模様を、もう少しご紹介しておこう。以下の動画1と2は、元来一続きのセッション風景を2分割したものだ。
動画1で扱われているような現象を、私たちは仮に名づけて「玉響」と呼んでいる。「たまゆら」というのは万葉集などに出てくる言葉で、「かりそめ」とか「しばし」あるいは「かすか」といった意味とされるが、ヒーリング・アーツではもっと自由に・大胆に、「タマ」を細やかに振動する超微細粒子とみなし、そのタマ同士が繊細に・神秘的に響き合って柔らかくゆらゆら揺れたり波打ったりする状態を、玉響とする。
まず両手を景気良く打ち合わせてかしわ手を打ち、掌に発生したビリビリしびれる感覚を、「超微細な粒子が振動している」と認知を切り替える。HN1(ヒーリング・ネットワーク1)時代の最初から、ずっと一貫して説いてきたことだ。
片手のその振動感覚に対して、もう一方の手や指先の振動感覚をかざすようにし、ゆっくりあれこれ不規則に動かしてみると・・・。
または、掌同士を向かい合わせ、その間の空間の圧力を高め合うつもりでそっと押し合うと・・・。
フルハイビジョン画質 05分10秒
前回ご紹介した、「空間を隔てて人の身体同士が共鳴し合う」(かのごとき)動画では、術者の微妙なボディランゲージを受け手が無意識のうちに読み取り、自分でも知らず知らずのうちに動いてしまっているのかもしれない(受け手自身は、後で動画を観て、あまりにピタリとシンクロしているので非常に驚いたそうだ)。
今回の動画でも同様に、(このように感じるであろうという)無意識的な予感や予想が何らかの影響を及ぼしているのかもしれない。が、いずれにせよこれまで何度も繰り返し述べてきた通り、未知の物理的エネルギーを私たちは研究しているわけではなく、自らの身体を通じて超越的に顕われ出る現象と虚心坦懐に向かい合っているだけだ。
我々が言う玉響は、気功などで「気感(気の感覚)」と呼ばれる現象と相通じているのかもしれないが、玉響の場合、掌の振動感覚(しびれ)を基盤にしていることと、タマの集合体が凝集したり拡散する作用までが明らかに響き合って映ってくる点に一大特色がある。
◎動画2では、内的感覚に基づく玉響を自在に運用し、武の舞へと昇華してゆく。それは、武術的な威力を秘めながら、同時に途方もない気持ちよさ・自由さの感覚を次々と生み出すヒーリングの舞ともなっている。
フルハイビジョン画質 04分20秒
◎毎回の龍宮会をやり遂げるたびごとに、祝祭用に珍しいカニなど山海の珍味が龍宮館にあれこれいっぱい届けられてきた。今回は沖縄からノコギリガザミ(マングローヴ蟹)が送られてきたが、ご覧の通りかなり大きい。
◎カニと一緒に、沖縄や奄美で最高級魚とされるアカジンミーバイ(スジアラ)も届いた。写真は、生エビのような変わった風味を持つ刺し身を美味しくいただいた後、アラのアラを揚げた唐揚げ。アカジンミーバイは皮も美味しい。
◎龍宮会とは無関係と思うが、東南アジアで人気があるオニテナガエビ(大河に棲む大型の淡水エビ)も届いたので、タイ料理のトム・ヤム・クンに仕立てた。タイ語でトムはスープ、ヤムは辛くて酸っぱい味、クンはエビを意味する。龍宮館のトム・ヤム・クンは、辛さを和らげるためココナッツ・ミルクを多用する。
久しぶりに本格的なトム・ヤム・クンを味わったら、怠惰に眠りこけていた魂が揺さぶり起こされるような(悦ばしい)衝撃を覚えた。食後、ユーフォリックな多幸感がしばらく続いたのは、意識変容作用があると噂されるガランガル(生姜と似た東南アジアのハーブ)をたっぷり使ったからだろうか。
◎前にも書いたが、日本に輸入される台湾マンゴーは水っぽくて味の薄いものが多い(『ヒーリング・リフレクション1』第十七回)。現地で良い品を食べればまったく違うのだろうと思っていたら、一般に出回っているものとは数倍も値段が高い特級品はやはり違った。
インドマンゴーをも思わせるような奥深いスパイシーさを伴う、上品かつ情熱的な味わい。気持ちが清々しくなり、うっ屈した心が伸び伸びと大きく拡がる。
沖縄や宮﨑などで栽培されているのと同じアーウィン種だが、そもそもこの品種は台湾から日本にもたらされたものだと最近知って驚いた。台湾の方が先輩であり(栽培開始は1960年代)、アーウィンは漢字で愛文と書くのだそうだ。
<2023.06.19 梅子黄(うめのみきばむ)>