Healing Discourse

ヒーリング・リフレクション1 第十七回 祝祭の日々

文:高木一行

◎台湾のマンゴーがどさっと龍宮館に届けられたのだが、台湾産としてはこれまで観たことがない「小ささ」だ。
 沖縄産や宮﨑産でも、大きく成長せず小さいまま熟したいわゆるミニ・マンゴーは、知る人ぞ知る格別の美味である。沖縄のマンゴー農家も、「大ぶりの実の方が高い値がつくけど、実は小さい方が美味しい」、と言っていた。

台湾産マンゴー

クリックすると拡大(以下同様)。 帰神撮影:高木一行

 台湾マンゴーをこれまで何度も試してみて、満足感を感じたことが一度もなかった。水っぽくて味が薄く、香りも気が抜けたみたいに下品なものへと堕している。現地で食べればまったく違うのだろうが、日本に入ってくるものはどれもダメだ。
 しかし、初めて観るこの小さなマンゴーならば、もしかして期待できるのではあるまいか・・・と、最初に感じた私の直感はやはり正しかった。肉感的とすら言える南国の甘く爽やかなオレンジイエローの香りが、アーウィン種特有のねっとりした食感にぎゅっと濃縮されている。

◎ひいきにしていたダマンフレール(フランスの紅茶会社)の日本総代理店が、私が刑務所へ収監される直前、閉店した。残念に思っていたところ、私の出所に合わせたわけではなかろうが、大阪の高島屋で再びダマンフレールの紅茶を取り扱い始めたといい、私の好きなラプサンスーチョンがあったと、大阪在住の友人が山のように送ってくれた。細やかで柔らかな気遣いがうれしい。
 それと合わせるべきはやはりこれでしょう、と別の友人が送ってくれた「長崎堂」の幻のバターケーキと一緒に、毎日美味しくいただいている。
 エンドレス・セレブレーション。平凡な日常を、祝祭へと変容させる。毎日が祭。これぞ、龍宮道修行者の生き様だ。

◎龍宮館では、浴室のドアをあけると派手な色柄をした蛇が浴槽の中でくつろいでいた、といったことも時々起こる。ブラジルレインボーボアのオシュマレ氏である。光の当たり具合によって、虹色の輝きを発する。
 好奇心旺盛だが、大人しい。大きすぎず、小さすぎず。ペット・スネークには最適である。

ムービー 撮影:高木一行
オシュマレ

ケージ内に置いた水入れのタッパーに、ぎゅっと入り込むのも好きらしい。 帰神撮影:高木一行

◎アッラーいわく、「従う価値のない法律にそむくことは罪にあらず」、と。
 日本国憲法の第31条も、まったく同じことを言っている。「適正な手続きを経ることなく制定・改正された法律によって、国民が裁かれ、刑罰を受けることがあってはならない」。
 しかし、この条文に限らないが、日本という国家は自らの憲法(国の根本理念や行動原理)を平然と踏み破って、まったく恥じようともしない。

◎活ドジョウがたくさん手に入ったので、インドネシアのバリ島式で唐揚げにした。バリ島ではタウナギの幼魚が使われている。水田でいくらでも採れるそうだ。
 まず酒で締めておとなしくさせる(さもないと元気よく跳ね回って調理どころじゃない)。麻薬(酒)が全身に回って動きが鈍くなった頃合いをみはからってざるにあけ、細かく刻んだ干しトウガラシを混ぜた塩コショウを振った上に小麦粉をまぶしたら、直ちに熱い油の中へ投入する。グズグズしていると麻薬の作用が切れ、再び暴れ出すから注意が必要だ。
 そのまま食べても良いが、苦味が少し気になったので、オーブントースターでカリカリになるまで焼いたら苦さが消えた。あっさりした味で、サクサクと口当たりも気持ちいい。
 このやり方だと、1度にたくさん揚げておいて冷蔵庫で保存し、食べる分だけオーブントースターで焼けばいいので来客時などに便利だ。刻みトウガラシを混ぜた塩コショウを適宜振りかけながら食べるのも美味。
 1尾、また1尾とつまむうちに、体に少しずつ活力がみなぎってきた。

ドジョウの唐揚げ

帰神撮影:高木一行

第五回六回でご紹介した遠隔ヒーリング・リポートだが、講評を書いてなかったことに気づいたので、ここに記す。
 リポート中で、遠隔ヒーリングによって発生したエクスタシーを伴う身体的振動(実際には心も完全に同調シンクロして振動している)について報告されていたが、その振動とはそもそも何ぞやといえば、ぎっくり腰の苦痛が神経的に反転したものなのだ。だから、とても気持ちいい。
対話篇1』で取り上げられていた神経的反転の、一つの実例といえる。

<2021.06.09 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)>