◎前回、唐突に告知した通り、2023.10.06~09の4日間、流心会メンバーのみを対象として急遽、第二回相承会を執り行なった。
稽古中、突如、仙骨の内面それ自身が、あたかも息するごとく伸縮し始め(下の動画冒頭部分)、さらには仙骨と下腹中央の間に結んだ<球>の内部に「風」が満ち、球状に渦巻く実感が生じ始めた。
すると、身体が風に乗ったように軽やかに・滑るように、自由に動く動く。こうした軽霊自在さは、初めて体験するものかもしれない。攻めてくる相手(一人でも複数でも同じ)の「隙」を吹き抜ける風の通路のようなものがあって、それに乗りさえすれば相手の攻撃は決して届かないのである。
これまで以上に、軽く繊細な力だけですむようになった。むしろ、そっと軽くタッチする方が、相手は大きく崩れてゆく。
双方がかなり速く動いているような状況でも、相手の細やかな表情が刻々変化してゆくのまでがハッキリ観える。そして、「当身を入れるべき場所」がそれ自身を表現するかのように自ずから浮かび上がってくる(すべて寸止めかソフトタッチ)。触れ合って崩し・投げる一瞬の間に、そうしようと思えば5回でも10回でも連続的に当身を叩き込むことができる。
フルハイビジョン画質 05分18秒
◎龍宮道の新章が拓かれたと感じている。
2011年の東日本大震災を契機として、ヒーリング・マーシャルアーツ(いやしの武術)の霊的伝授が起こり始め、途中足掛け8年の空白期間を経て現在まで実質的に約4年間、1~2ヶ月に1度(1回2~4日)程度の稽古でよくぞここまで来しものよと、自ら驚き呆れている。
仙骨を腰として使うことについては、その第一歩について『ヒーリング・リフレクション1』第二十八回に記した。我々の研究はそこからさらに飛躍して、現在、仙骨の内面にまで意識化が進みつつある。そこを随意筋となるようトレーニングし、骨盤腔内に球状緊張を自在に起こせる境地を、皆が目指しているところだ。
ここで言う腰とは、動きの中枢である。体をどのように動かすのでも、強い力も繊細な力も、あるいは思考という心の動きですら、「そこ」を中心(支点)とする時、各自の最高効率と最大効果をあげられる、そんな超重要ポイント(エリア)が、人体には伏在する。それを腰という。
上述のような腰を自らの身体においてみいだすことは、だから、人生における最重要かつ最緊急の課題だ。それがあれば、何をやってもすぐ人並み以上に「できる」ようになるから、人生が楽しくなる。特筆大書しておきたいのは、私が述べている新しい仙骨の使い方は、実に気持ちいいのである。
仙骨の内面がまず球面をなして引き締まり、と同時に下腹中央(肥田春充のいう丹田)にも緊張が生じる。その二極間に球状の緊張が発生し、それは脊椎神経を伝って脳を直撃し、第一レベルでも軽く意識が変容する。以上は、神経的にハッキリ内面で感じられる現象だ。
その球状緊張を静中求動(外形を変えず、内側における動きを探す)でほどく・・・と、仙骨内面からとろけるような妙なるエクスタシーがふわりと湧き起こり、全身を満たしてゆく。それは決してせき立てるような、駆り立てるような激しいものではなく、自分自身に穏やかに充足している感じだ。タオイズムの奥義・採坎填離(内的な陽のエッセンスをもって、内的陰のエッセンスを埋める、即ち内的セックス)とは、これか・・・。
性感とかオーガズムなどと関連する神経が仙骨には集中しているが、そうした神経が仙骨操作によって刺激され、独特のエクスタシーを生むのだろう。
この腰は、肥田式強健術創始者・肥田春充が最晩年に述べていた腰と最も近いものかもしれない。
春充いわく、「以前はこれ(腰を調律する丸棒)を仙骨と腰椎の接合点に置いたが、今は若干下がる。」
つまり、前は仙骨と腰椎の間を腰として使っていたが、今は仙骨を腰にしている、と春充は述べている。
◎相承会の朝食。カーサムーチー(鬼餅)。サンニン(月桃)の葉がかぐわしく爽やかな、米粉を蒸したほんのり甘い沖縄伝統の餅。黄色はパンプキン味、紫色は紅芋味、薄い焦げ茶は黒糖味。
◎マレーシアでしか手に入らない馬蹄酥はネット通販でも扱ってないが、たまには食べたいものよとわがままを言い駄々をこねていたら、友人があれこれ裏技を使ってどさっと手に入れてくれた。これからマレーシア・フェアである。
ちなみに馬蹄酥とはいかなる菓子かというと、似ているものが日本にはないので何とも表現しがたいのだが、中身が空洞の長崎の菓子・一口香が近いだろうか。とはいえ、一口香とはやはり別物であり、真剣な興味がある人はマレーシア・フェア中に龍宮館へいらっしゃればご馳走する。
◎ソフトシェルクラブのプーパッポン・カリー(タイ料理)。
先日銚子川巡礼の帰途、名古屋のタイ料理レストランで食べた品を再現してみた。大きな声では言えないが、うちの方が美味いと思う。
◎小笠原名物・島寿司。
小笠原と八丈島、伊豆諸島、それから沖縄の大東島に伝わる伝統料理。大東島には小笠原からの移住者が伝えたそうだ。
サワラの切り身を漬けにして握った酢飯に載せる。薬味として辛子を使うところが独特だ。酢飯の形がまちまちなのは、初めて握ったからである。形は不ぞろいだが、ヒーリング・タッチでたっぷり生命力(マナ)が込められている。味といいエアリーな食感といい、魚と酢飯がほどよく絡んで溶け合う具合といい、大変結構であった。
◎この時期は、虫たちがすだくのに耳傾けながら、一杯の紅茶と共に松翁軒(長崎)のチョコラーテ・クラシックを味わうのが楽しい。
<2023.10.14 菊花開(きくのはなひらく)>