Healing Discourse

ヒーリング随感2 第8回 息詰まりのほどき:FB(フィードバック)

<報告1(抜粋、以下同様)>
 このところ、過労で全身が固まっていたのですが、呼吸が隅々へと通じるたびに、生命力が活性化されるのを感じました。いきいきとして、やる気、元気がみなぎってきました。ほんの短時間の練修ですが、呼吸の能力を高める効果があると思います。自宅での練修だけなく、日常の中でも気づいた時に行えば、疲労の軽減にもなるように思います。
 何より面白いのが、普段は意識もしていないような、意外なところから息が入ってくることでした。自分で自分の息はかくあるべし、という決めつけがあり、制限しているのがよく分かりました。本来の自分の息の姿が、どこまで明らかになるか、これからとても楽しみです。<S.M 男性・宮崎県>

<報告2>
 繰り返し実践させていただきました。いったん吸いきる、あるいは吐ききった状態で揺さぶり始めるとき、息が漏れたりしないようにちょっと固まっているのですが、揺さぶられてその固まりがほどける時、枠が外れるように息が出入りし始めました。
 最初は意識して揺さぶっている腰腹の中が広がって出入りしているように感じましたが、しばらくすると全身に息が通じているように広がっていきました。全身の皮膚がゴムの袋のように伸び縮みしているようで、終わった後は活力が体中に行き渡り、体が柔らかく有機的になっているように感じました。
 普段の生活の中で、ちょっと考え込んだり仕事に集中している時に、無意識に息を止めている時があります。重いものを運ぶ時に力が抜けないように息を詰めるのとちょうどおなじような感じなのですが、誰に禁止されたわけでもないのにしてしまっているのは、相当根深く習慣化しているようです。継続して行なっていきたいと思います。<K.M 男性・山口県>

<報告3>
 ご教授いただいた手法の通りに行なうと、吸い切った時(あるいは吐き切った時)に、腰や腹を揺さぶる方向や速さによってさらに入ってくる(あるいは出て行く)息の場所や量が変わり、「こんなところにも息が入るんだ!」と、驚いてしまいました。肋骨がメリメリ引きはがされるように伸び縮みして、これほど息の通路を抑え込んでいたことに驚きました。
 しゃがむなど、少し変わった体勢で行なうと、普段全然息の入らない部分で呼吸している感覚が起こり、これは本当にありとあらゆる姿勢で、日常的に実践するべきだと感じました。また、何となく疲労している感じがした時に実践すると、その疲労感が全身に満遍なく行き渡って、心地よい全身的な疲労に変わり、肩や首などのこわばりが溶けていきます。首をねじるなどして、痛みが起こる体勢で行なってみると、息がほどけるにしたがって痛みもなくなってしまいました。体の痛みも、息がつまって通らないことが原因で起こっていることが体感できました。
 新鮮な酸素がある屋外で実践すると、より爽快さを感じることができました。さらに研鑽を続けていきます。<M.T 女性・広島県>

<報告4>
 修法を行なってみましたが、体の中で固まって滞っていた流れが、流れ始めました。
 特に腕の流れが「なくなっていた」ようで、流れ始めることにより、今までこんなに固まっていたのかと、驚きました。またこれまで、手足は振りほどく練修をしていたものの、腹とか腰を振り呼吸する練修は、ほとんどやったことがなかったのですが、やはり信じられないほど固まっていたことに気づかされ、こんな状態では、何事もうまくいくはずがないと痛感させられました。
 修法を行なうことにより普段行なっている呼吸がどうも何割か深くなったようで、今日は極めて快適に一日を過ごすことが出来ました。また腰腹の意識が深まったことで上に上がっていた意識が腰腹に大分戻ってくるのを感じ、感覚として随分胴体が長くなり、足との長さの配分が変わったのを感じました。
 まだ充分とは言えませんが、脈々と息が行き渡って、命が通うようになり「生きているんだなー」と実感することができて、「修法とは、本当に素晴らしく、凄いんだなー」と気持ちを新たにしました。<J.S 男性・岐阜県>

<報告5>
 もうこれ以上吸えないと思われたところから、いろいろな角度にゆさぶったり回転させたりしていくと、さらに倍以上とも思える息が入ってきて、背中の辺りにもガバッと入ってくるような感じでした。
 それを一気に吐いていくと、急激に頭がスッキリして、視界が前に見えていたものとは明らかに変化していき、行なうごとに新しく生まれ変わっていくようにどんどんクリアになっていきました。気分もとてもスッキリとしています。これまでの呼吸の浅さに驚いています。続けて行なっていきたいと思います。<R.I 女性・大阪府>

<報告6>
 フォーミュラを実践中に吸いと吐きを比べてみると、「吸い」の方にばかり意識が向きがちで、吐き切ることがきちんとできていませんでした。吐き切った後に重点的に腰腹を揺さぶると、横隔膜が普通ではあり得ないような方法で動かされ、活性化されている実感があります。
 その後レット・オフで息が自然にスポッと腰腹の中に吸い込まれるように入ると、呼吸によって内臓がマッサージされ、グルグル音がなるほどです。腹式呼吸が内臓にもよいとされる意味が、初めて生理的に理会できました。
 食べ物の味が普段よりよくわかるようになり、美味しいものを食べると体が喜んでいる感覚があります。内臓が活性化されたことで、食欲も増進したのでしょうか。<M.T 女性・広島県>

<報告7>
 本日、近所の病院に行き、健康診断と言う名目で肺活量検査を行なってきました。もちろん、看護士さんの監視の下での検査ですから、おおっぴらに修法を行なうことはできませんでしたが、目立たないように体を揺すりながら吸い、吐きを実践しました。
 すると、不十分で控えめなやり方にもかかわらず、数値的には20%の違いが見られました。だから、しっかりと体を揺さぶりながら行うならば、さらに数値に開きが出るものと思われます。
 ちなみに、今朝は練修を行なわず、できるだけ素の状態での結果が出るように心がけました。
 今後は、十分に練修を積み、息詰まりをどんどん解いていきたいと思います。<S.M 男性・宮崎県>

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◎息を吐き、納める行為に揺さぶりをかけつつ、息の詰まりをほどき、全身隅々にまで活力を通じさせていく。それを、ヒーリング・アーツでは行気法[こうきほう]と呼んでいる。古代中国で導引吐納[どういんとのう]と呼ばれた行法システムにも通じるものがあるだろう。

◎息を力として運用する修法については、ちょっと高度なので、直ちに効果が現われたと歓喜する人は、さすがに少ないようだ。
 まずは、しっかり息詰まりをほどくといい。
 そうすれば、これまでよりもっとたくさん吸い、さらに多く吐けるようになる。そうしたら、その余剰分を力とクロスオーバーする。
 うまく成功した人たちからは、「全然力を入れた感じがしないのに、机が持ち上がった」、「まるで、机が勝手に動いて浮き上がったような感じがした」、「吐く息は力なり、という肥田春充の言葉の意味が、ようやくハッキリした実感として体で味わえた」など、少しずつ報告[フィードバック]が届きつつある。

<2010.05.21 小満>