◎ディスコース『超越へのジャンプ』第12回にて、霊子潜動法というユニークな修法をご紹介した。
霊子板(れいしばん)と呼ばれるあの板ひとつをとってみても、それを正確に再現するには様々な試行錯誤が必要だった。
岐阜の田中家で、現存するただ1枚(舞)の霊子板が発見されなければ、無理だったかもしれない。
田中守平存命時には霊子板の素材として檜(ヒノキ)が使われることが多かったようだが、檜材の中心部は若木の枝のつけ根が節として残り、また外側は柔らかくて反りやすいため、しっかりした反りにくい板を得るためには樹齢300年以上の木が必要になるという。
現在ヒーリング・ネットワーク内の研究で使用している霊子板は、スプルス材(アラスカ檜)を1枚につき数時間かけ注意深く手で研磨したものだ。ヒーリング・ネットワーク同志の山田一美君が製作に当たった。
◎霊子板を用意したなら、その上に手をそっと置き、顕動作用(身体が自動的に振動する作用)の方向を逆転させ内向させる。これが潜動作用であり、うまくいくと板がまるで自らの意志で動くかのごとく前進し始める。
ところがここでも難題が待ち受けていた。完全な霊子板を揃えたとしても、それを置く床の状態によって、潜動作用の発現は多大な影響を受けてしまうのだ。つまり床と板の間の摩擦が大きいと、潜動作用が伝わっていても霊子板は頑として動かず、正しく行なえているかどうか確認できないのである。
私のこれまでの実験によれば、新品の畳が最もよいが、練修を重ねてわずかにすり切れてくるとすぐ霊子板の動きが鈍くなり、さらにその日その日の天候(湿気)によっても大きな影響が出る。
しかしながら、2002年に90日間の長期連続断食を敢行した際、この床の問題を一挙に解決する方法が天啓のように示され、それによって古い畳の上であれ、フローリングであれ、ほぼ同一条件で潜動作用を正しく学び、実践することができるようになった。
その方法というのは、滑らかな毛皮(皮革材料店等で入手できる子鹿の毛皮が最も使いやすい)を床に敷き、その上に霊子板を積むのである。わかってみれば何でもないことだが、これがなければ特に複数の霊子板を使った練修をコンスタントに行なうことはほとんど不可能だろう。
◎太霊道オープンセミナーのリポートなるものが、(龍宮館リフォーム計画の一環として)古い資料を整理していたら出てきた。今から8年も前のものだ。
このオープンセミナーは、長期断食後、田中守平の御霊にオマージュとして捧げる一種の神聖舞踏劇として執り行なったもので、それ以降、太霊道霊子術をまとまった形で系統的に伝授することを、私は一切していない。
つまり、太霊道を捨てた。肥田式強健術同様に。あっさりと。
そんなことはさておき、ちょっと読んでみたら面白かったから、上記リポートの冒頭部分をそのまま以下に転載する。
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太霊道オープンセミナー・リポート
ヒーリング・ネットワーク有志一同
平成15年9月14日(日)、「太霊道オープンセミナー(アドヴァンスト・コース)」が広島市内で開催されました。5ヶ月前に名古屋で開かれたベーシック・コース参加者のみを対象とする中級講座ですが、前回の初級コース受講者のほとんどが、再び広島において相まみえることとなりました。
セミナー全体を振り返ってみて、言葉では表現し得ない驚嘆すべき内容を完全にお伝えするのはとても無理であると感じます。しかし、どのようなことが行われ、そして参加者がどう感じて、いかなる変化を経験したのか、セミナー後に実施したアンケートの集計結果や参加者から寄せられた手記などを交えて、その一端をご紹介していきたいと思います。
波動の空間
高木先生が会場に入られると、空間は一変します。心身を透徹する波動に、会場全体が渾然一体となるような感じ、とでもいえばよいでしょうか。
静かに壇上に立たれた先生が、受講者に向かい合って霊子(れいし)作用を発動されると、会場のそこここで参加者たちがゆらゆらと揺れ動き始めました。
先生はにっこり微笑まれ、霊子板(12×21×1センチの滑らかに削った板)を使う霊子潜動法(せんどうほう)の実演へと移られました。
霊子板数枚を重ねた上に、先生が掌を返して指の爪のみをそっと置かれます。やがて霊子作用が伝わって、板全体が静々と自動・前進し始めました。
さらに枚数を増やしつつ、手の甲から潜動作用を伝える方法(皮膚潜動法)、別の霊子板の対角線を通じて間接的に伝える方法(連接潜動法)などが次々と示されました。
圧巻は、100枚以上積み重ねた霊子板の上に掌を柔らかく置き、正座したままで霊子作用を伝える押掌潜動法です。100枚以上ともなれば、1人では簡単に持ち上がらないほどの重量があります。
この実演に際し、参加者の1人は、先生の掌と一番上の霊子板との間に自らの手を挟んでもらい、その感触を味わうという貴重な体験をしました。当人は、「先生が霊子板を押さえる力の軽さに驚かされた」との感想を後で述べていらっしゃいましたが、にもかかわらず他者の掌を軽く挟んだまま、うず高く積み上げられた霊子板はゆっくりゆっくりと前進していったのです。「先生の掌と霊子板の下端までのつながりが伝わってきて、とても不思議な感覚だった」そうです。
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◎このリポートには、霊子板潜動法(アドヴァンスト・レベル)実修の感想も紹介されている。アンケート(回答率100%)からの引用だ。
●セミナー前は、霊子板をそんなに沢山積んで動かすことができるのかという心配もありましたが、セミナーの終わりには50枚を動かすことができ、また練修するたびに、力とは全く違う純粋な潜動作用に近づくのが感じられて、どこまでも深化していくものであるということを実感することができました。<S.Y 東京都>
●霊子板を使った潜動法の練修において、10枚から15枚がやっと動いたあたりで頭打ちになっていたのですが、セミナーの終わり近くになって、ようやく30枚を動かすことが出来ました。霊子板がじりじりと前進し始めた瞬間に30枚分をきっちり「掴んでいる」という感覚が生じていました。繰り返しているうちに成功するフィーリングがはっきりしてきました。こうなると「なかなか動かない」と深刻な表情をしていたのが嘘のように「ああ、もっと潜動法がやりたい」という気持ちになりました。<M.K 山口県>
●60枚の霊子板にチャレンジしていた時、先生が来られて、ご指導いただきました。先生に軽く手を添えていただくと、スーッと何かの作用が霊子板の一番下まで浸透していくのが感じられました。それは積み重ねた霊子板全体の触感のようなものが手に戻ってくるような感じでもありました。すると、霊子板の山は動きだしました。先生が手を離された後、一番下の霊子板までの作用が途切れがちになると、動きが止まるといった感じでした。<T.S 愛知県>
●つい1週間前の自主練修会で、3・4枚を相手に悪戦苦闘していた落胆の記憶が鮮明なだけに、何十枚もがすんなり動いたことの多層的な意味に、ひたすら驚嘆するしかありません。目先の現象に一喜一憂することなく、本質・根源をなすものを探求する重要性を改めて痛感しました。<M.K 愛知県>
●これまで想像すらできなかった、高く積まれた100枚の霊子板を先生に補助していただきながら動かせた喜び。そして、次に1人でも動かせた時の驚き。他の何人かの参加者が次々に動かすことに成功した時の喜び。また、会場のあちらこちらでも様々な学びが行なわれ、参加者の喜びが感じられ、とにかく楽しく凄い学びの場でした。太霊道を復活させ、また誰もが修得できるようにしてしまわれる・・・。凄いという言葉を通り越しています。<T.M 東京都>
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◎神明館リフォームの先がけとして、まず玄関の真っ正面を通せんぼするように立ちふさいでいる電柱を少し移動してもらうことはできまいか、ということになった。
関係者が来て、最初、「この住宅地においては、造成当時に協定が結ばれており、移動等は出来ないことになっている」との説明だったが、姿勢を静かに極め、ノータッチにてヒーリング作用を伝えつつ、観の目で、言霊をソフトに使い(ハードにやると相手が心神喪失状態に陥ることがあるので)、理路整然と、時に相手の情に訴えつつ、懇々と諭[さと]すように話していったら、約1分後には、「特例として移動すべきケースとみなす」という話に落ち着いた。移動費をこちらで分担せねばならないが、それも最小限で済むよう計らってくださるそうだ。
実にありがたいことである。
私は、相手をコントロールしたのではない。ただ、共感・共振しただけだ。
◎その30分後、町内会役員の方々が拙宅を訪ねてこられておっしゃるには、件[くだん]の電柱に、防犯上の理由から外灯を設置したいのだが、ついては私の承諾が要る、とのこと。
出入り口を塞いでいた電柱が脇へ移され、ぱっと明るく灯ってぱっと明るく開ける。・・・極めてシンボリックではある。
こうした「シンクロニシティ」が、私の周囲では頻繁に発生するから、もう誰も大抵のことでは驚かなくなっている。
◎写真は、近作スライドショー『秋惜しまず』からの1舞(クリックすると拡大)。
<2011.11.11 山茶始開(さんちゃはじめてひらく)>