Healing Discourse

ヒーリング・リフレクション3 オフ感覚・実践報告 その1

編集・整理 高木一行

※ヒーリング・ネットワーク・メンバーシップの「流心会」にて語り合った内容である(チーム・コミュニケーション・ツールより)。参加者らの許可を得て、オフ感覚の熱心な探究者諸氏と分かち合う。

【高木一行(以下、高木)】

『ヒーリング・リフレクション3』の第二十四回二十六回(オフ感覚:前~後編)で、冷水と温水を使ってオフ感覚を起こすシンプルな手法を紹介した。これも先日の第一回相承会(2023.08.12~13)で実際に皆と実験してみたが、その際どんなことを感じたろうか?

【高橋文博(以下、高橋)】

 冷水に手を入れた時は、次第に手が引き締まる感じがありました。温水に手を入れると一転して弛むのがはっきりわかりました。
 水から手をあげて観察すると片方の手とは全く違って、しっとりと潤った皮膚の状態だったので、非常に不思議に感じて驚きました。
 また、しばらくの間は手を微細な霧で覆われているような感覚がありました。

【道上健太郎(以下、道上)】

 相承会で改めて検証した、冷水と温水によってオフ感覚を起こすことについては、『ヒーリング・リフレクション3』の記事に自分の体験を掲載していただいており、その体験を改めて再確認しましたが、同時に新たに感じられたことがありました。
 自宅では熱めの温水で執り行っていて、オフの時には全身に強い流動感覚が起きていたのですが、今回の相承会ではあまり高くないぬるめの温水での検証で、こちらの場合はフワッと柔らかく、皮膚と温水との境界が消え、自己の存在感が空間と一体化して消えていくような細やかなオフ感覚が感じられました。

【東前公幸(以下、東前)】

 冷水と温水を使ってオフ感覚を起こす手法を相承会で行なった際には、冷水で凝集した手が温水で自動的に緩んでくる感覚がよくわかり、手に起こったオフ感覚が全身に響いてくるのを感じました。
 今年も暑さの厳しい日が続いておりますが、昼間外出し、暑さにストレスを感じ始めた際、冷水と温水を使ってオフ感覚を起こす手法のことが思い出されました。そこで暑さを感じている皮膚を凝集→レット・オフしてみると、暑さに対して感じていたストレスが和らぐことが感じられました。この体験を通じて、暑さから身を守ろうとして皮膚などを無意識に固めてしまっていたことに気づきました。
 また冷房の効いた場所から外に出ると温度差が大きいため、全身の調整が追いつかずストレスを感じ疲れてしまうことが多かったのですが、冷水と温水を使ったオフ感覚の手法を応用することで、温度の変化に対応しやすくなったと感じております。
 このように、 日常生活の中ですぐ効果を実感できるというのは、素晴らしいと思います。

【平川晋一(以下、平川)】

 冷水と温水を使ってオフ感覚を起こす手法は、相承会では手で行ないましたが、自宅では足にも適宜行なっています。お湯の温度は耐えられるギリギリの温度で実践していますが、立って片足を冷水に浸けた後温水に浸けますと、オフ感覚の波が身体内側を通して起こり、自然と身体が波打つように動きが発生してしまうこともあります。
 手の場合は浸けている手の形を変えずにいることで、オフ感覚の波が身体の内側を流れていくのを感じることができます。
 この修法を実践した後は、足先から首までがスッキリとします。首から上(頭部)は、緩み開かれた両手でヒーリング・タッチを施すことでモヤっとした感覚が解消されていきます。

【帆足茂久(以下、帆足)】

 冷水と温水へ交互に手を入れて確認していたのですが、冷水によって手が冷えて凝集していく感覚が生じるとき、腰腹のほうにまで連動しているのが感じられました。
 その後温水に入れますと、これも腰腹とつながってオフ感覚が生じてくるのが感じられました。
 左右の差が感じられる時、どこに余計な力みがあるのか観察してみました。すると前腕に力みが入っているのが感じられましたので、一旦手を水の外にだし、反対側の手をつかって力みの入っている場所とその周辺などにヒーリング・タッチを行ない、何度か強調とレット・オフをくり返した後、再び冷水の中に手を入れて行ないますと、先ほどの力みがほどけ身体のつながりがこれまでよりはっきりしてくるのが感じられました。

【高木】

 夏休みの間、ヒーリング・ネットワークの新しい流れをおこすべく、私も新たな課題にチャレンジしているところだ。これは全力をもって取り組まねばならないことなので、本チャンネルへの投稿も滞りがちとなるだろう。この間、ベテランメンバーが積極的に本チャンネルの流れをリードしていっていただきたい。
 ここ最近、私がしばしば驚き、なおかつ、いささかがっかりしたことは、例えば「オンのリズムとオフのリズム」とか「(冷水と温水を使った)オフ感覚練修法」などをウェブ上で公開しても、門外の人々はただそれをサラリと読み流すだけで、実際にやってみようとする者は僅少であるという事実だ。
 皆さん、大変お忙しいのかもしれないし、自分が本格的に修業しているわけでもない他流儀の内容に首を突っ込むのは面倒くさいのかもしれないし、あるいはこれまで雑誌や本、動画などで紹介されているいろんな流派の稽古法をあれこれ熱心に試してみて時間の浪費以外の効果を感じたことがなかったためスッカリやる気が失せてしまった・・のかもしれない。
 理由はよくわからず、他流派のこともよく知らないが、少なくともハッキリ言えることは、「実際に試してみれば、独習でも素晴らしい効果を感じられる」からこそ、そして「ある特定の流派、流儀のみにとって意味があるのではなく、あらゆる人が簡単に行なえて心身の健康向上など素晴らしい卓効が直ちに味わえる」からこそ、私はこれまでインターネット上であれこれくどくどと述べてきたのだ。口先だけ・小手先だけのつまらない「小技」など、一つたりとも紹介したことはない。
 オフ感覚ひとつがわかるだけでも、これは大変なことだ。ウェブ上でもしばしば述べ、相承会中にも語ったことだが、労宮へのヒーリング・タッチによりオフ(レット・オフ)を引き起こす、ただその一事を全面活用することだけで、私は地獄の如き刑務所生活を楽しく・有意義に、「修業化」することができた。その同じ期間、狭いところに長期間閉じこめられて精神に異常をきたす、いわゆる「stir crazy(刑務所での発狂)」に陥った者たちをどれだけ数多く目撃したことか(囚人の大半はそうなる)。

 冷水と温水をバケツに用意することさえ面倒くさい・・そんな風な怠惰と倦怠に、もしかしたら日本人全体がずぶずぶ沈み込んでしまっているのかもしれない。が、相承会で実際にやってみて「何か」を感じた者ならば、その繊細かつ奥深い感覚と意識をさらに探求してみようという気持ちにな(ってくれ)るのではないか・・・そんな「祈り」にも似た気持ちで、私は本チャンネルを用意した。
 冷水と温水を活用しながら、『ヒーリング・アーツ入門』第一回第二回で紹介した「オンのリズムとオフのリズム」を聴き比べてみるのも有意義だ。まずは、ステップ1のドラムで試してみるといい。前半のパートを冷水、後半を温水につけながら、音と触覚(内的感覚)の両方に注意を傾ける。
 温水と冷水によるオフ感覚の惹起(熟達に従い、手の外形を変えずレット・オフへ昇華)と「オンのリズムとオフのリズム」。この二つの練修法を「3週間」、毎日やってみれば、私が提唱する新たな感覚と意識を、かなりしっかりつかむことができるだろう。「そのうち、いつか」ではなくて、「今」、取り組むことが大切だ。それにより、いったん何事かを得たならば、それはあなた方の生涯に渡って活きてくる。
 繰り返す。「今」を大切にしなさい、この先何年かしたら、たった「3週間」継続するということさえ、非常に難しく(あるいは不可能に)なるかもしれない。
 3週間、途中経過などを報告し合いながら、あるいは新たな気づきを分かち合いながら、皆でわいわい楽しくやっているうちに、いつの間にか新しい感性や新しい能力の芽生えが自分自身に、そして学びの仲間たちの心身に起こり始めていることに気づく・・そのような成長の機会(場)と、本チャンネルがなれば素晴らしいことだ。
 独りで暗くやっていたのではなかなか実行まで至れないようなことも、志と祈りを同じくする者たちが集まれば、やすやすと実現可能となる。独りでは到達することが極めて難しい高みでさえ、祈りの力を合わせれば、現実的な到達目標の範疇となる。
<生命(いのち)>を高め合い、輝かせる場を、私は創り出したい。

【東前】

 温水と冷水によるオフ感覚の惹起と「オンのリズムとオフのリズム」の練修法を、本日より3週間継続する取り組みを行なってみようと思います。よろしくお願いいたします。
 ご投稿いただきましたように冷水と温水を活用しながら、オンのリズムとオフのリズムを聴き比べてみました。冷水と温水だけでもオフ感覚が起こるのですが、オンのリズムとオフのリズムを聴きながら行なうと、オフ感覚がよりはっきりと、かつ全身に作用してきました。オン(冷水)で凝集し、オフ(温水)で拡散の波が広がると、全身がその波で調律されるように動き出し、左右1回ずつで、上質な身体調律を受けたかのようにさっぱりとリフレッシュした感覚を覚えました。
「オンのリズムとオフのリズム」実践報告で紹介されていた、鏡に自分の顔を映し、オンのリズムとオフのリズムを聴き比べることも試してみました。オンの時は自分が鏡の中の自分を観ているという感覚が強いのですが、オフになると鏡の中の自分に観られているという感覚に切り替わるのがわかり、面白いと感じました。全曲通して聴いていると、段々と心が落ち着き、鏡像の表情が穏やかに変わってくるように観えました。

【渡邊義文(以下、渡邊)】

 二つの練修法を、3週間継続して取り組んでまいります。
「オンのリズムとオフのリズム」のステップ1において、前半のパートを冷水、後半パートを温水に手をつけながら聴いてみました。
 オンのリズムを聴きながら冷水に手をつけていますと、手が冷たく、引き締まってくる感覚に加え、オンのリズムに合わせて手が固くなってくる感覚がありました。また、手が固くなってくることを感じると同時に、オンのリズムが単調で、情緒が排除されたような冷たいリズムに聴こえ始めました。
 前半パートが終わり、オフのリズムを聴きながら温水に手をつけていますと、これまで以上にオフの感覚が深まり、全身が緩み、暖かさが拡がっていくことを感じました。また、手や全身が緩んでくるとオフのリズムがとても暖かく、優しいリズムに聴こえ始めました。
 以前教わったように、鏡に自分の顔を映しながら、オンのリズムとオフのリズムを聴き比べてみましたが、オンのリズムを聴きながら鏡に映る自分の顔を観ていますと、目がギュッとしまって固くなってくることを感じ、顔全体が観えづらくなってきました。
 次にオフのリズムを聴きながら鏡を観ていますと、目が緩み、視界が拡がってくることがわかり、目の周りも緩み始め、顔全体が立体的に観え始めました。 これは要するに、自動的に「見の目」から「観の目」へとシフトしているのだと思います。 

【平川】

 温水と冷水ならびに「オンのリズムとオフのリズム」の練修法を3週間実践してみます。
「オンのリズムとオフのリズム」ステップ1の前半のパートを聴きながら手を冷水につけた後、後半のパートで温水につけますと、固く縮まっていた手及び身体全体に息吹が吹き込まれるようにオフの波が身体内に浸透していきました。そのオフ感覚の波は冷水と温水だけで行なっていた時よりも力強く明瞭な感覚でした。
 鏡に自分の顔を映してナジオンを視点として視界を鏡全体に均等に広げて「オンのリズムとオフのリズム」を聴いていると、「汝らは、歓喜と・・・」のところで言霊の作用が身体にジワっと染み込んでくる感じを受けました。

<2023.11.04 楓蔦黄(もみじつたきばむ)>