Healing Discourse

ヒーリング・リフレクション3 第二十六回 オフ感覚:後編

◎<中編からの続き>

【平川晋一】

 東京相承会(2023.07.01)翌日のお買い物に佐々木さんとともに同行させていただいた時、先生より「冷水と温水を使用してオフ感覚を味わう方法を、足で行なってみたらどうなるのか」というお話がありました。
 そこで手で実践した時の要領で、少し大きめのプラスチック製たらいとアルミ鍋(温水用)を用意して、足を冷水と温水に交互に浸けてみました。足は甲側の方が足裏よりも熱さに敏感で、甲側で感じる熱さにとらわれてしまうところもありましたが、冷水に漬けた後、足を温水に浸けていると、手の時と同様に足を通じて身体内にオフ感覚が伝わってきました。
 また結果として身体内の滞りがなくなり、疲労回復効果もあるように感じられます。足の粒子感覚はまだ掴み切れていないところがあるため、しばらくの間実践し経過を観察していきたいと思います。

【東前公幸】

 冷水と温水を使用してオフ感覚を味わう方法を足で行なってみました。
 最初は掌より感覚が鈍いので、ヒーリング・タッチで触れ合いつつ、執り行ないました。何度か行なっていますと、冷水につけると足が凝集し、温水に浸けると拡散が起こるのがはっきりしてきました。凝集と拡散の差が大きいほどに、オフの波がダイナミックになり、STM(自発調律運動)が起こって、全身が気持ち良く調律されるのが理会されました。
 次に形を保つように意識すると、意識が内向し、血流が良くなるのが感じられました。数回行なうと全身がさっぱりとした感覚がありました。漫然と行なうよりも、ヒーリング・タッチや足を叩くなどして粒子感覚を意識して行なうと、より効果が明瞭になるのが感じられました。

【道上健太郎】

 平川さんに書いていただいている、冷水と温水によるオフ感覚の実験を確認してみました。
 足でもオフ感覚が感じられる一方で、熱い温水につけたまま静中求動で静止していると、レット・オフが起きるとともにお湯を沸かす時に水の対流が起きるような身体内の熱の流動感覚が生じました。腰腹の奥にも熱のある流体が流れる感覚があり、全身に血行が行き渡るのが感じられました。

【佐々木亮】

 冷水と温水を活用した練修で、掌の凝集→レット・オフを行なってみました。
 これまでは水温の差によって、オフが起こることを受動的に待っていましたが、手を冷水に浸けて凝集→手を温水に浸けるとともにレット・オフ・・・すると、フワーッと明確な拡散感覚があり、手が二回りも大きく膨らんだような今までにない感覚があり、驚きました。この練修法は、単にオフ感覚を掴むだけではなく、凝集⇔拡散感覚を深めていくことができることを感じています。
 さらに、ふと思い立って、冷水と温水に浸ける前に柏手を打ってみると、微細振動する粒子の感覚が狭まったり、拡がったりする感覚がはっきりしてきました。長期断食などの特別な修業を行なっているとしょっちゅう感じられる感覚で、日常生活の中でこれが明瞭に感じられるのはかなり凄いことなのではないかと思います。

【帆足茂久】

 冷水と温水で交互に足を入れて確認したのですが、足だけが冷えていったり、温まってくるというよりも、凝集とレット・オフの作用が脚にまで拡がっていくのが感じられ、それとともに脚も冷やされたり、温められたりするのが感じられました。
 片方の手の労宮と触れ合った状態で、手を冷水につけますと凝集してくるのですが、それとともに腰もリンクされた感じで凝集が生じてくる感覚がありました。その後、冷やされた手を湯につけ静中求動でいますと、体の閉じていたところが開かれてくるのが感じられてきました。労宮を意識して執り行なうだけでもだいぶ違ってくるように感じられました。

【渡邊義文】

 冷水と温水に足を入れる実験を行ないました。
 冷水に足を浸しますと足がギュッと凝集してくることが感じられました。その後、温水に足を入れますとギュッと凝集された足が温水により緩み始めました。そのまま足を動かさないように静中求動を保っていますと、外へ緩み広がろうとするオフ感覚が内向していき、足の裡側でオフの波が多層的に拡がっていくように感じられました。
 再度、冷水に足を浸していますと足の凝集と合わせて手の労宮も凝集していくことを感じました。労宮が凝集していることを感じていますと、舌も凝集していくように感じられました。労宮や舌以外の部分も感じていきますと、身体の様々なところが凝集していくことが感じられました。
 次に足を温水に浸しますと、足のオフ感覚と共に手の労宮や舌も緩み始め、全身にオフ感覚が拡がることを感じられました。するとぐらっと全身が揺らめき、波打ち始めました。
 冷水と温水に足をつけることを繰り返した後、足の状態を感じてみますと、足の強張りが解けて、滑らかに動くことが感じられました。

【道上健太郎】

 足に対する冷水と温水による修法を、朝仕事に行く前、または仕事からの帰宅後に行なってみました。
起床後に行なうと、血流が全身に巡り、腰の内部が繋がって流れて肌が生気を持ってくるのが感じられます。
 何もしない時の朝は、動いているうちにだんだん体が起きてくるのですが、冷水と温水によるオフ感覚でほどよく活力があり、と同時にリラックスもしている状態になります。
 仕事から帰ってから行なうと、毎日外で仕事をしていて暑さでゆだっているような状態なので、冷水には冷たさよりも気持ちよさの方が強く感じられ、最初は冷水でリラックスしてしまいます。
 何度か冷水と温水につけているうちに、だんだん冷水で凝集を感じられるようになり、そこからやっと温水時のオフ感覚が感じられるようになっています。
 冬は寒くて体が固まる一方で、夏は疲れていても暑くて力が入らず柔らかいように思っていましたが、オフを受け入れていくと繊細な粒子が心身の奥底から伝わると同時に、暑くて疲れていて力が入らず柔らかい(ように思える)アンバランスな状態から、肌が適度な張り・弾力を取り戻して活力が取り戻された上でのリラックスがあり、深いいやしを感じました。

【道上健太郎】

 冷水と温水による準備修法を、足にて和息法(※)もクロスオーバーして執り行ないました。
 冷水につけたまま息を吐き出しつつハミングをしていると、最初は感じにくかったのですが、段々と足そのものと周囲の水もビリビリと振動しているのが感じられてきました。息がどんどん吐かれていくに従い、水の中の足が絞られ、小さくなっていく感覚もありました。
 吐ききって息を止め、温水に足をつけて、吸気に転換する瞬間を感じ取ってみると、吐きから吸いに転じる短い間に、無理に息を止めているのではない、わざと息を吸おうとしているのでもない、温水の中の足が凝集とオフの間で待機状態になっているニュートラルな状態が感じられました。
 オフが起こると、息が入って足から全身がゆるみ膨らむような感覚と共に、全身の無数の粒子が凝集していた状態から拡散に転じた、その細かく無数なものが同時に起こす変化が感じられました。
 これまでも全身が裏返るような感覚は感じたことはありますが、大きな袋がひっくり返るようなサイズ感のある感覚だったので、それが小さく無数になって同時に転換する感覚として起こるのが感じられたことに驚いております。

※和息法については、以下を参照。
『ヒーリング・リフレクション2』第三十九回、『ヒーリング・リフレクション3』第十一回、『ヒーリング・リフレクション3』第十二回

◎タイ、イサーン(東北部地方)のコームー・ヤーン(豚トロの網焼き)。シンプルな料理ではあるが、もみダレとつけダレのコンビネーションに工夫を凝らし、マナ(生命力)を込めながら作れば、心揺さぶられる食べ物へと変容する。タレの材料は以下の通り。
もみダレ:シーユーカオ(タイの醤油)、紹興酒、ニンニクと生姜のすり下ろし、みりん。
つけダレ:ナンプラー、レモン汁、砂糖、オイスターソース、パクチー、カオクア(細かく砕いた炒り米)、ニンニクみじん切り、輪切り唐辛子。

カオムー・ヤーン

クリックすると拡大(以下同様)。

◎ワシントン州名産のレイニアチェリーがたくさん届いた。繊細な甘さと緻密な食感はアメリカンチェリー最高峰との呼び声も高く、夏の短い期間にしか出回らない。

レイニアチェリー

◎アッドゥ・ボンディ。ココナッツ・フレークを椰子蜜で固め、バナナの葉で包んだモルディヴ菓子。

巨大鶏の手羽先焼き

◎巨大鶏の手羽先焼き。

シータ
ラ・ムー
ラ・ムー
シータ シータ

<2023.07.24 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)>

付記:3回に渡って紹介してきたオフ感覚をもたらす修法を、流心会(ヒーリング・ネットワーク・メンバーシップ)内で実践・検証した記録。オフ感覚・実践報告