Healing Discourse

龍宮道メモ 第八回 第9回龍宮会 

2023.07.13

 今回より何度かに分け、第9回龍宮会りゅうぐうえ(2023.05.03~05)で撮影した動画を摘録・概説してゆく。
 最初にご紹介するのは、全身調律のための自由組手(の一場面)。言うまでもなく、龍宮会ではいきなりこんなことをやるのではなく、様々な準備修法で心身を段階的に開いてゆき、さらなるトータルなヒーリングを祈り求めて、武の舞を楽しく舞うのだ。
 なお、動画に付した番号(動画23、など)は第一回からの通し番号を指すが、動画のタイトル(組手1、など)に関しては混乱を避けるため各龍宮会における番号(順番)を用いる。

動画23 『自由組手1』 撮影:2023.05.04 於:天行院

フルハイビジョン画質 03分02秒

2023.07.21

 上掲の動画23だが、そこで一体どんなことがなされているのか、これまで述べてきたように再生速度を落として観照していただければ、何か尋常ならざることが起こりつつあると直ちにわかる。・・のだが、私に似てものぐさな方が最近は少なくないようなので、動画23の一部を再生速度25%にしてみた。
「水が波打つような波動現象に基づいている」「終始一貫して波打ち続ける」「相手と波動的に共振する(共に波打つ)」「武術のわざであると同時にいやしのわざともなっている」・・・これまでウェブサイト内のあちこちで述べてきたことが、何の誇張もない「事実ありのまま」であると、ご自身の目で確認できると思う。

動画24 『自由組手1 スローモーション』
撮影:2023.05.04 於:天行院

フルハイビジョン画質 02分56秒

2023.07.29

 肥田式強健術は姿勢のとり方を根幹とする「姿勢術」だが、その肝心な姿勢について誤解・あるいは閑却したまま熱心に鍛練に励んだりすると、効果がないどころか長年の間には却って有害となるから注意が必要だ(『ヒーリング随感2』第17回参照)。肥田式修行者の大半が陥っている過ちとは、強健術創始者・肥田春充の「正しい姿勢とは、腰を反って尻を突き出す」という言葉を表面的に解釈し、あたかも腰に横に当てた棒を軸として「腰を反らせ」たり「尻を突き出」したりするようなやり方だ。そんなことをすれば直ちに不快感があちこちに生じるはずだが、悪質な指導者の中には、「これまで不自然な姿勢をとっていたのだから、最初のうち自然な姿勢が不自然と感じられるのは当然である」などと強弁し、間違った姿勢を生徒に強いる者さえいると聴く。
 肥田式の基本姿勢を正しく造れば、初心者であってもどこにもさわりは生じず、どんな型においても全身のすみずみまでが連動して、感じられるのは爽快感のみだ。そして、短期間で目覚ましい効果があがり始める。心でも体でも、「壮健さ」が実感できるようになる。そのようにならない(自称)肥田式なんか、インチキと断じて差し支えあるまい。
 ここでは、簡易強健術・腹斜筋練修法の型を例にとり、肥田式の運動原理をわかりやすく示してみた。同じ型を3回行ない、1回目は上述のような腰を横軸として使うやり方、2、3回目はそれとは異なる軸によって全身が自ずから連動する方法を用いている。

動画25 『肥田式・簡易強健術の動作原理』
撮影:2023.05.04 於:天行院

フルハイビジョン画質 00分35秒

 私の身体と実際に触れ合った人たちの感想をご紹介しておこう。

●2種類のやり方を示していただき、その違いを体験させていただきましたが、最初のものは、動きに伴い身体各部の位置は変わるものの、普通の運動であり、それによって特に感じるものはありませんでした。
 ところがもう一つの動作(2回目と3回目)に入られた瞬間、先生の身体内を龍が駆け巡るような強烈な流動感覚を感じ、あまりの違いに何だこれは! と圧倒されました。
 同時に自分自身の身体にも突如統一される感覚が生じ、先生の一挙手一投足に連動して全身が波打ってきました。
 準備姿勢から本運動に移りますと、このような統一感と流動感覚の中、力が一切外に逃げず、腰腹に力が集約するのがありありと感じられました。 (佐々木亮)

●最初は腕を頭上に上げる動作、腰を落とす動作、頭上の腕を下ろす動作と、一動作ごとに区切られた動きであり、身体も分断されてバラバラに動いていました。触れ合っている腰腹には動作に伴い、若干の動きは感じられますが、不動の筒の内部で幾分かの筋肉の動きを感じる、といった印象でした。触れ合っている私の内面には何も変化は起こりませんでした。
 2種類目においては、全てが一変しました。まず何よりも型の始まりから終わりまで、一つの淀みない流れでした。全身が有機的な繋がりを持ちながら、流れており、弾力と、内圧に満ちた力が腰腹を中心に全身に行き渡る感覚は、もの凄い全身の鍛錬となることが感じられる強烈な印象でした。また触れ合っている私の内面まで流れ、渦巻き、内圧が高まり、爆発(爆縮)が起こりました。
 さらに違うところとして、強健術では1種類目のように腰腹はほとんど不動で腰を下げることでその位置のまま下がる、という認識が私には強くあったのですが、2回目、3回目における先生の腰腹は内面がダイナミックに流動しているのみでなく、動きに伴い位置だけでなく骨盤そのものの「形」も動いて(変化して)いました(それでもなお、腰は反り尻が突き出ています)。腰腹の形は不動という誤った観念に強く囚われていたせいもあるのでしょうが、こんなにも変化するものなのか! と思わず驚きの声を上げてしまいました。(東前公幸)

2023.08.01

 ヒーリング・ネットワークのメンバーシップである流心会では、今、ナジオン(※)に気合をかけ合うことが流行っている。
 大正から昭和初期に日本全国を席巻した気合術の方式を援用したもので、術者はもちろん気合をかけられるレベルに達していることが必要だが、体験者によれば「凄く効く」のだそうだ。
 動画内では、受け手が立位と仰臥の2種類を示している。仰臥では、3人並べて一度に気合をかけたが、本来は1人の受け手に対し、その呼吸(腹式呼吸で吐ききって、吸いに入ろうとする瞬間)に合わせて気合をかける。

※ナジオンについては、以下の記事を参照。
『ヒーリング・リフレクション3』第八回第十一回
 頭骨を開放し振るえさせること(ナジオンとも関連)については、ヒーリング・ムービー其之十八を参照。

動画26 『ナジオンへの気合』 撮影:2023.05.04 於:天行院

フルハイビジョン画質 01分25秒

 気合を受けた感想をいくつか。

●先生からナジオンに気合をかけていただいた時、ナジオンから光が広がるように頭の中が明るくなり、晴れ渡る感覚がありました。
 その日から寝付きが良くなり、朝の目覚めも変わったことを感じています。いつもは目が覚めた途端に悩みが襲ってきて、憂鬱になり、起きることが億劫になっていたのですが、ナジオンに気合をかけていただいてからは、目覚まし時計が鳴る前に起きることも多くなり、憂鬱な気分がないまま身支度をして、出勤することができています。日常生活においても、悩みに囚われることがなくなってきているように感じています。何かに対して悩まないわけではないのですが、いつの間にか悩みを忘れていることが多いです。(渡邊義文)

●先生がナジオンに気合をかけられると、頭骨内部、脳の方に波紋がパァッと走って水しぶきが弾け飛ぶような、独特の体感が生じ頭の中が洗われた、と感じました。何度かかけていただくと、その度に頭部のもやもやが晴れていく感じがいたしました。 (佐々木亮) 

●ナジオンへの気合の影響ですが、先生に気合をかけていただくと、身体の内側に衝撃波が広がり、思考と時間の流れが停止し、内面の心配事などが禊祓みそぎはらわれ、その後に新生する感覚がありました。
 試しにと、ナジオンより少し上の前頭部(一般的に第三の目があるとされるところ)にも気合をかけていただきましたが、その際は思考は停止するのですが、影響はナジオンの時よりも局所的でした。
 龍宮会の後から現在までの影響ですが、思い悩んだり、深く落ち込む度合いが以前に比べ減っていると感じます。(東前公幸)

●呼吸の吐く→吸うに切り替わる、人間が一番弱く影響を受けやすくなるとされる瞬間に、ナジオンへの気合をかけていただいたのですが、何度かかけていただくなかの最後に受けたものは、ナジオンの奥、頭骨の内部で金属音がキーンと鳴っているような強烈な感覚がありました。
 声が自然と漏れ、全身に力がみなぎっていったのですが、頭が非常にスッキリし、自分の内部も世界も白く光っているのが感じられました。終わった後、陽光や空気、風、世界の色彩がとても爽やかで清々しさに満ちているように感じられました。
 私達同士の組手の最中に動きが膠着すると、第三者が術者のナジオンに気合をかけるということを何度か行なったのですが、気合がうまく響くと、一瞬互いに共鳴して空間的に繋がるような感覚があるのが興味深く感じました。
 現在も、ナジオンから蝶形骨を意識すると、耳鳴りとは根本的に違う、キーンという金属音のような響きが鳴り続けているのがすぐに感じ取れるようになりました。(道上健太郎)

 ・・・・それにしても皆さん、「朝起きると、たちまち憂鬱な気分になる」とか「普段の生活の中で否定的な思いが頻繁に」とか、初めて聴いた話だが実に驚くべきネガティヴな日々を送っているようだ。
 霊眼を拓いて超時空的に観察すると、上記のような半病人的状況は、頚椎の使い方が根本から誤っているから起こることなのだと判明する。逆に言えば、その過ちを理会して正す方法さえ学んで実践すれば、根本的に改善することが可能だ。その具体的方法を「玄武修法」と言い、首を正して信じられないほど<樂>にするメソッドとなっている。数秒〜数十秒で行なえるシンプルな修法が、驚くほど「効く」。これまで紹介してきたいかなる修法とも異なる、ディープなヒーリング・エクスタシーに浸ることができる。
 寝ていても首や肩がひどく凝って安眠・熟睡できない状態は、人殺しや詐欺師、泥棒、連続レイプ犯たちと一緒くたに狭い部屋にぶちこまれていた刑務所生活の中で私自身、何度も経験したことであり(一時期、熟睡というものが完全に失われた)、それを根底からヒーリングする方法は徹底的に研究してある。首(頚椎)を操作する手法は、効果が高い代わりに間違って行なうと副作用が強く出るため、そのヒントすらここに安易に記すことはしないが、流心会メンバーで希望する者があればしっかり教え、その効果をしばらく観察してから、一般公開への道を模索しようと思っている。

<第九回へ続く>