Healing Discourse

ヒーリング随感4 第4回 化水舞水(水と化し、水を舞う)

◎ムービー1 肩のこと
 先日の龍宮拳伝授会より。
 自らの「肩」という認知を、僧帽筋より三角筋へと移す。まず僧帽筋とヒーリング・タッチし、その触れ合っているところをこれまで「肩」として認識していたことを確認したら、その肩という認知ごとヒーリング・タッチを滑らせて肩胛骨の肩峰へ意識を移す。
 すると、これまで肩のところに居座っていた堰(ブロック)がはずれ、上下の流通が良くなって、足先から頭まで常に一体となって動けるようになる。
 その結果、全身が統一した力を、肩や胸、腕、背中、腰などから自由に発することができるようになる。
 全身の安定度も、自ずから高まる。

◎ヒーリング・アーツの伝授を受ける際には、術[マナ]の余韻としてのSTM(自然湧出する自己調律運動)に、しばし身を任せ、禊祓いの心地よさを味わうことが奨励されている。
 受け手はいつでも動きを止められるが、敢えてそうせず、身体内を波紋感覚が自由に流れ動くがままに任せる。
 どんどん「自分」という存在感にレット・オフをかけ続ければ、やがて無念無想の超越境が開かれるようになる。ヒーリング・メディテーションだ。瞬間、髪[はつ]を入れず、術者の祈りを込めたかしわ手が鋭く鳴り響き、全身にびりびりっと活が入って、満身のたまふりが一気にジェネレートする。たちまち元気と楽しさの実感が湧き溢れてくる。

◎そういう、これまでおそらく存在したことがないような新しい稽古のあり方が、過去十数年間、「分かち合い」を基[もと]として試行錯誤してきた結果として、気づいてみたら自然発生的に出来上がってきた。
 全身丸ごとで組み合い、ぶつかり合う中で、術の本質を全身的に感じ・受けていく。
 ムービーをごらんになればおわかりになると思うが、床に危険な角度で落としたり、2人以上を絡[から]めたりする際、私は術を完全なコントロール下に置いている。当て身も、1度も入れていない。
 自主練修の際は、そうした点にも注意を払ってほしい。

◎ムービー2 波紋棒
 前回ご紹介した波紋棒伝授のシーンの直後。
 流れている曲は、妻の新曲の1つ、『カニのワルツ』。『ヒーリング・ダイアリー』9に関連記事がある。

 次回は、波紋棒練修法のムービーをご紹介予定。胸郭がぐにゃぐにゃに柔らかくなり、術がまた一段と冴え渡るようになる。私も初めてやってみて、その効果にびっくりした。

◎ムービー3 波紋の舞1
 伝授会初日の後半部分。
 最初、非常に硬くてぎくしゃくしていた参加者たちの流れが良くなってきて、ようやく共に波紋を舞うことができるようになり始めた。
 時折、かしわ手を鳴らしつつ、画面中央に視点を定め、観の目で観取[みとり]稽古するといい。
 龍宮拳とは「水と化し」「波紋を舞う」武術であると私が言う意味が、よくおわかりになると思う。
 なお、ムービー中で流れている楽曲は、妻の最新曲『ア・キム』。2011年度のパラオ巡礼を契機として顕現しつつあるシリーズの、第3作だ。関連記事は、ディスコース『レインボーズ・エンド』第3回

 大きな3D画像ではもっと凄い「水体験」が味わえる。まもなく、ヒーリング・ネットワークの同志らが3Dムービーの実地テストに入るから、後日体験報告をまとめ発表する。

◎以下は、ムービーに登場する参加者たちによる伝授会感想の一部だ。プライベートBBSより抜粋。ほとんどが、伝授会終了直後に投稿されたもの。

御礼  投稿者:増岡三四郎 投稿日:2012/02/12(Sun) 23:16 No.338

 龍宮拳伝授会に参加させていただき、ありがとうございました。
 私にとって、龍宮拳と触れ合うのは初体験であり、これまで文章や映像を通じて、学ばせていただいたことを1つ1つ確かめさせていただくのは、楽しみで仕方ありませんでした。しかし、実際に先生から術をかけていただいたり、術をかけている所を拝見すると、想像を遥かに越える素晴らしさでした。また、随所に海の波紋が感じ取れ、これまで観照させていただいてきた海の巡礼の帰神フォトが、何度も重なって観えました。まさしく、これは海より授けられた術。海好きの私は、その何とも言えない親近感にも魅了されてしまいました。
 盛りだくさんな内容をお伝えいただきましたが、中でも肘の威力には、心底驚かされました。肘を「凶器」と形容されていたのは、誇張でも何でもなく、その通りだと思います。龍宮拳は、武術としても凄まじい威力を備えていますが、術を受ける度にこちらの生命も活性化され、心身共に元気になりました。まさに、ヒーリング・マーシャルアーツです。これから、是非とも深く深く究めさせていただきたい、との思いが込み上げてきました。

御礼  投稿者:佐々木亮  投稿日:2012/02/12(Sun) 23:26 No.339

 龍宮拳伝授会に参加させていただきました。
 腰スジの学びを始めとして、全身が激変してしまうマナの数々に、文字通り、目をみはり通しの二日間でした。
 何度も先生と触れ合わせていただき、龍宮拳により全身が解かれていく中で、龍宮拳が、まさに水を基盤とした武術であることを実感いたしました。現在『自然は脈動する』を読み進めておりますが、シャウベルガーの説く「水」の性質とも合致する感覚を覚えることが多々ありました。
 龍宮拳に秘められた、武術的な威力、さらには禊祓いの神聖な力に、圧倒されつつも歓びに満たされ、今も余韻が残っております。
 この度は貴重な学びの機会をいただき、まことにありがとうございました。

御礼  投稿者:佐々木奈緒子 投稿日:2012/02/12(Sun) 23:56 No.341

 龍宮拳伝授会に参加させていただくことをお許しいただき、誠にありがとうございました。
 あまりの恩寵に深い感謝の気持ちに満たされ、何から書き始めたらいいのか分からないほどですが、自らの仮想の酷さと、身体の硬さ具合に愕然とし、それが龍の台や腰スジのマナを始めとして、真の肘や胸の開放など、様々な学びによって調律されていく凄さを味わわせていただき、龍宮拳の素晴らしさを讃えずにはいられません。高木先生に何度も何度も術をかけていただき、投げられ、回され、溶かされ、活を入れられて、痺れ続けていました。

 私は今回生理前で、伝授会に生理が重なりそうな日程だったのですが、 生理の時にいつも痛くなる仙腸関節の部分が、どのような力が加わっていて痛くなっているのかということが明瞭に感じられてきて本当に驚きました。 ちょうど生理前で、腰スジの学びをお教えいただいたからこそ浮き上がってきたのではないかと思い、このタイミングで伝授会に参加させていただけて気付かせていただき、レット・オフや腰スジのマナによって根深いブロックから解放されていく有り難さに胸が振るえ、感謝の気持ちが溢れ続けておりました。

 本当に楽しく、感・動に打ち震え続けた学びの場でした。心より御礼申し上げます。

御礼  投稿者:道上健太郎 投稿日:2012/02/13(Mon) 04:37 No.343

 龍宮拳伝授会に参加させていただき、ありがとうございました。
 事前に各自が確認していた龍宮拳の肘の位置ですが、ここではないだろうかという実感の伴っていないものが、実際にそのものに意識が通ることで、そのあまりの確かで強烈な龍宮拳の「肘」の力に驚嘆いたしました。
 腰スジの学びを中心とする、スジ、筋肉のバランスの意識の再編成・建て直しによって、全身のバランスやそもそもの前提などが大きく変容している様に、これまで自分はどうしていたのかと驚くばかりです。
 2日目に新たに公開していただいた龍宮拳の「目のこと」によっても全身が一変し、また1日目に動きの滞りがあったり流れの粗さがあってぎこちなかった所が、2日目になって全く昨日とすら次元が違うのではないかという先生の波紋のわざの数々に、いやしと感・動と共にヒーリングに満ちた流れが参加者全てに行き渡っていくのを感じました。龍宮拳は誠に素晴らしい恩寵であります。
 毎日少しずつ読んでいた『自然は脈動する』を広島までの電車の中でまとめて読み進められたのですが、ビリビリと強烈に刺激され続ける内容に驚き、また学びの中でも何度もその内容が強烈に思い出される実に刺激的な本であることに改めて気づかされました。
 このような稀なる機会に参加をお許しいただいたことに深く感謝をいたします。
 高木先生、美佳先生、共に参加された皆様、素晴らしき龍宮拳の世界に御礼申し上げます。ありがとうございました。

<2012.02.16>

※2011年度 海の巡礼シリーズ:関連リンク
◎Healing Photograph Gallery1『エルニド巡礼記 @フィリピン』/『パラオ巡礼:2011』/『ボルネオ巡礼:2011
◎Healing Photograph Article『エルニド巡礼記・余話
◎ヒーリング・ディスコース『レインボーズ・エンド パラオ巡礼:2011』/『ヒーリング随感3』第3回第6回第8回/『ヒーリング随感4』第21回
◎ヒーリング・ダイアリー『ヒーリング・ダイアリー4