◎パラオ巡礼(2011.07.07〜14)については、ディスコース『レインボーズ・エンド』で詳しくご報告した。
巡礼最終日、日が傾きかけるちょっと前、リゾートホテルの部屋で妻と荷造りにいそしんでいると、バルコニーにひょっこり三毛猫が現われた。
ホテルの広大な庭で鶏が飼われており、小さなヒヨコの姿もよくみかけたから、猫の出現はちょっと意外だった。どうやらこの猫、ヒヨコになぞまったく興味がないらしい。
バルコニーのドアを開けると、するするっと中に入ってきて、パンを少しもらってすっかりご機嫌。そのまま好きなようにさせておいたら、いつのまにかトランクの中で丸まってぐっすり眠っていた。
写真は、ちょうど目を覚ましたところ(クリックすると拡大)。出立直前のことゆえ、乱雑な散らかり様についてはご容赦のほどを。
パラオの神(女神)からのメッセージのようなものを、この猫の奇妙な振る舞いや表情からびりびりっと感じた。「巡礼ごくろう」とでもいったところか。
猫は、時々、「神秘」を、仲の良い人間にだけそっと明かすことがある。猫と親しく暮らしたことがある人なら、おそらく誰もが皆、そうした猫との魔法のような秘密の体験をお持ちなのではあるまいか?
人生そのものが、楽しくなり、柔らかく・優美となり、心暖かとなり、そして切ないほどに美しく・彩られるような。
くだんの猫は、その後もクイーンサイズベッドの真ん中で安らかに眠るなど、豪胆ぶりをいかんなく発揮していたが、いつの間にか姿を消し、再び見かけることはなかった。
◎パラオ巡礼を記念して植えたティティムルの種が、炎天下の車中に数時間以上放置されていたからダメかと思いきや、立派にあっけらかんと芽を出した。驚くべき強靭な生命力だ。
この木の葉には何ともいえない独特の香気があり、パラオでは魚や鶏肉と一緒に煮込んで、おいしいスープを作る。南洋群島への郷愁をかき立てる、不思議な味わいだ。
梅に似た、かぐわしい丸い実からは、ティティムル・ジュースが作られる。これもまた未体験の味だった。
この苗が生長して葉を収穫できるようになったら、友人たちを招きティティムル・スープの会を開こうと思っている。
◎パラオでは、一般のツアー客は立ち入りできない無人島にクルーザーで乗りつけ、南洋ピクニックを楽しんだりもした。もちろん、その際にも帰神撮影を忘れない。
ココ椰子の木がうっそうと生い茂る小さな島があった。あちこちいっぱい転がっているココナッツを内から突き破り、瑞々しい大きな緑の葉が勢い良く噴き出ている。ひざ下くらいの小さなものから見上げるような高さに育ったものまで、様々な成長段階のヤシの木たち。
圧倒されんばかりの濃密な生命の質感が、溢れ交わり、重なり合っている。
このヤシの島の、生命感溢れるマナ光景[シーン]を、帰神フォト・スライドショーにて、皆さんと分かち合いたい。
ココヤシの木こそ、ミナミジマを象徴する世界樹だ。
南洋の世界樹。
<2011.08.24 綿柎開>
※2011年度 海の巡礼シリーズ:関連リンク
◎Healing Photograph Gallery1『エルニド巡礼記 @フィリピン』/『パラオ巡礼:2011』/『ボルネオ巡礼:2011』
◎Healing Photograph Article『エルニド巡礼記・余話』
◎ヒーリング・ディスコース『レインボーズ・エンド パラオ巡礼:2011』/『ヒーリング随感3』、第6回、第8回/『ヒーリング随感4』第21回
◎ヒーリング・ダイアリー『ヒーリング・ダイアリー4』